枝野氏の「上から目線」が阻む立民・国民合併

まだこれでは、旧民主党グループによる単一政党の結成は無理だろう

枝野さんは、自分の発言になんとなく「上から目線感」が滲み出ているのに気付いておられないのではなかろうか。

立憲民主党サイトより:編集部

野党の中では相対的に支持率が高いことは承知しているが、しかし単独で政権を担えるほどの勢いも力もないことは大方の人が認めるところだと思う。

それなのに、随分高いところから物を仰るんですね、というのが立憲民主党が公表した文書を読んだ時の率直な感想である。

とても他党に合力を求めている文書には思えない。

支持率が低迷しているとは言え、それなりの所属国会議員と組織、さらにはそれなりの資金力を有している公党への敬意が感じられない。
無所属の人や党としての存続が危ぶまれるような政党の国会議員に対する呼び掛けならばこの程度でも通用するのかも知れないが、こんな物言いをされてしまったら普通は席を蹴って退席されても仕方がない。

まあ、同席された方々は、皆さん比較的に温厚な方々ばっかりだったようだから、あえて場の雰囲気を乱すようなことはされなかったようだが、この挨拶はいささか関係者に対する敬意と配慮を欠いていると言わざるを得ない。

これでは、とても大きな塊を作ることはできないぞ。
そう思わざるを得ない。

立憲民主党YouTubeより:編集部

以下、立憲民主党の広報が掲載している枝野氏の挨拶の抜粋。

立憲民主党は、これまで、理念政策をともにする方が個人として入党いただけるなら歓迎するとの立場でした。

しかし、この間、共同会派結成にあたっての合意に基づき、一体となった国会対応で成果をあげることができたことは、会派を共にする皆さんが、それぞれ寛容な心でご尽力をいただいた結果だと感謝しています。このことを通じて、私は、会派を共にする皆さんとは、十分、理念政策の共有をしていただいていると考えます。

以上のことを踏まえ、今般、私は、より強力に安倍政権と対峙し、次の総選挙で政権を奪取して『まっとうな政治』を取り戻し、国民生活と公平公正な社会を守るため、会派結成にあたって合意した考え方に基づき、共同会派を共にしていただいている政党、グループの皆さんに幅広く立憲民主党とともに行動していただきたいと思うに至りました。

安倍政権に代わって政権を担いうる政党を築き上げ、次期総選挙での政権交代を現実のものとするため、会派を共にする、国民民主党、社会民主党、社会保障を立て直す国民会議、無所属フォーラムの皆さんに立憲民主党とともに闘っていただけるようお呼びかけいたします。

さて、皆さんの感想は如何。

なるほど、枝野さんが求めているのは、あくまで立憲民主党への合流なんですね

ああ、これはやっぱり無理だな。

国民民主党の若手の皆さんが浮足立っているようなので、改めて申し上げておく。
なかなか展望が開けなくてヤキモキされているだろうが、いつまで経っても皆さんが期待するような結論は出ないだろうから、ここは自分たちだけでしっかり纏まっておかれた方がいい。

立憲民主などとの早期合流を求めている国民民主党の津村副代表ら(NHKニュースより:編集部)

立憲民主党側は、最後まで自分たちの主導権に固執するはずだから、国民民主党の現在の執行部の皆さんと折り合いを付けれるはずがない。
対等合併など夢のまた夢。
今の立憲民主党の執行部の頭には吸収合併しかない。

皆さんがいくら頑張っても、所詮は外様扱いをされ、冷や飯を食ことになることは必至である。
多分、皆さんの自由な行動や発言は封じられてしまうだろう。

今皆さんが享受されている行動の自由や発言の自由は、事実上封じられると思っておかれた方がいい。
若い方々で自分たちの思い通りの塊を作られた方が、精神衛生上遥かにいいはずだ。

腹を括られることである。

自分の道は、自分で切り開くこと。
自分が選んだ道であれば、仮に失敗しても納得は出来るはずだ。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2019年12月7日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。