このところ秋篠宮ご夫妻の佳子様への評価の高まりと、眞子様への諦めのようなものが感じられるという報道が相次いでいる。
悠仁様はさる12月8日に、「第41回少年の主張全国大会」に出席されたが、佳子様と一緒だった。従来は、悠仁様が公の場に出られるときは、両親、あるいはどちらかと一緒だったが、今回は姉の、しかも、眞子様でなく佳子様と一緒だというのが注目されたのである。
また、秋篠宮殿下は11月30日の誕生日に先立ち開かれた会見で、観光旅行のようで公務としての性格が薄いなどとアンチ秋篠宮派のマスコミから叩かれた先の佳子様の訪欧についても「よい経験になったと思います。行く前には時間をかけ、地域の専門家から話を聞いたり本を読んだりと、下調べをずいぶんやっていた印象がある」「実は彼女は、国内で行事に出席する時や海外からのお客様に会う時など、事前の調べごとをよくやっている。元々、まじめな性格なのかもしれないですね」と甘い父親ぶりを見せられた。
これまで、眞子様とは円滑だが、「性格が殿下に似て導火線が短い」などと面白おかしくいわれる佳子様とは似たもの同士で対立することが多いといわれてきたのに、様変わりである。
ただし、佳子様については、自己主張が強く、それが態度に出ることも多い反面、愛子様や悠仁様にとっては、話の分かる頼りになるお姉さまだということをいう人も多かった。
そのあたりを、ご両親が、ダンスなどやりたいことは譲らないが、内親王としての自覚はそれなりにあり、自分なりに線を引いているというような評価をされるようになったのかもしれない。
一方、眞子様については、秋篠宮殿下は、結婚について眞子様とも小室家とも話してないと仰った。その一方で、「この次の2月で2年経つわけですね。昨年の2月に今の気持ちというのを発表しているわけですので、やはりその、何らかのことは発表する必要があると私は思っております」と仰っている。
何も問題が解決していないままで結婚の予定を発表するというのも考えにくいが、一方で、眞子様が結婚をあきらめそうだという話も出てきてない。
一方、秋篠宮殿下の立皇嗣の礼は20年4月19日に 予定されている。そして、政府は皇位継承問題の検討をそれが終わってから本格化するという。
あくまでも可能性の問題だが、眞子様と小室氏の結婚はどうしてもというなら最終的には仕方ないが、それなら、女性宮家の問題は、眞子様が皇籍を離れられてから適用するという解決もありうるのかもしれない。
つまり、小室氏を皇族の一員とか本人限りの女性皇族の夫にはしないということだ。家族も皇族にするという意味での女性宮家では論理的にその結婚は皇族会議の同意を必要とするということになる。また、本人だけということでも、結婚相手は准皇族みたいなものになるから、同様の議論が出る。
そういうことで、佳子様と愛子様が、皇族会議の同意を得た男性と結婚されるという前提で皇室典範を変更する、また、その一方で、旧皇族の復帰にも道を開くというような可能性はないわけでもなかろう。
もちろん、同意されない結婚をするなら皇籍離脱だという可能性もあるが、それなら悠仁様についても同様だという問題が生じそうだ。オランダの制度はそうなっている。
八幡 和郎
評論家、歴史作家、徳島文理大学教授