イギリスの総選挙が12日に行われ、ボリス・ジョンソン首相率いる保守党が下院で単独過半数(定数650)を制するなど、選挙前の少数与党から大幅躍進し、サッチャー政権時代の「1987年以来の大勝」(BBCニュース)となった。これにより、EU離脱へ大きく前進した。
BBCニュースによると、
日本時間午後4時半の時点で、保守党は364議席(47増)を獲得。労働党は203議席(59減)となった。 スコットランド国民党(SNP)は48議席(13増)、自由民主党は11議席(1減)、北アイルランドの民主統一党(DUP)は8議席(2減)、その他が15議席(2増)になった。(未確定は1議席)
という結果だった。選挙戦中盤、世論調査では保守党優勢の一方で、労働党もポイントを縮めていることが伝えられ、ジョンソン氏自身の落選危機も一部で取りざたされたが、全くの杞憂だったようだ。
選挙戦の勝敗を分けた要因については、ジョンソン氏が一貫してEUからの離脱を訴える一方で、労働党はコービン党首は、EU離脱の態度をあいまいにしたことが指摘されている。日本の政治関係者からも注目を集めており、政治学者の竹中治堅氏は、日本の自民党が、小泉純一郎首相時代に郵政民営化を掲げて圧勝した衆院選を例に挙げた。
また、橋下徹氏も「先日の大阪府知事・市長のダブルクロス戦と同じ。相手に文句を言うだけの戦いには支持は集まらない。野党は勉強すべき」と日本の野党に見習うように指摘した。
小泉元首相も、橋下氏がかつて率いた維新もアジェンダ(争点)設定を巧みに行って、選挙戦を優位に戦ったことは周知の通り。日本でも解散総選挙が取りざたされる中で、与野党が英総選挙の教訓をどう生かすか注目される。