立憲民主党の初鹿明博衆議院議員(比例東京)が、知人女性へのわいせつ行為をした疑いで書類送検されたことを巡り、ネット上では、かつて#MeToo運動でセクハラ行為を行った男性を攻撃していた左派系の有識者らが沈黙していることに対し、批判する意見が強まっている。
書類送検の事実は、週刊新潮が16日、デイリー新潮でスクープ速報した。同日中にライバルの文春オンラインや、新聞テレビ各社も追いかけで一斉報道し、初鹿氏も17日午前、国会内で記者団の取材に応じて書類送検の事実は認めた(産経新聞)。産経新聞などによると、初鹿氏は2015年5月、都内を走行中のタクシーの車内で女性にわいせつな行為をしたと疑いで警視庁葛西署に書類送検された。
一方、ネット上では、#MeToo運動との関連で注目されるようになった。
#MeToo運動は2年前に、左派系の女性有識者や、元朝日新聞記者が複数所属するバズフィードジャパンなどがキャンペーンを積極的に展開した。日本では本家のアメリカほどには定着はしなかったものの、昨年(2018年)には左派色が強い「新語・流行語大賞」のトップテン入り。当時、バズフィードジャパンは「平成最後の流行語に「#MeToo」が選ばれた」と成果を強調するはしゃぎようだった。
ところが今回の書類送検の報道直後、かつて#MeToo運動に身を投じていた著名人や有識者が一様に沈黙している。第一報があった16日のうちから「ダブルスタンダードではないか」という疑問や批判が巻き起こっている。ネット民の間では、
フェミニスト、女性人権界隈で有名な伊藤和子、仁藤夢乃、望月衣塑子、石川優実、太田啓子が立憲民主党の初鹿衆院議員が強制わいせつ容疑で書類送検されてるのを総スルーしてるの皆覚えておいてね!ちなみに立憲民主党、国民民主、共産党議員も皆スルーだよ!
枝野ら立民は財務省の福田淳一元事務次官のセクハラ事件に際して「セクハラ許さない!MeToo!」と立場を表明していたが、今日この日に至るまで半年役職停止処分をしたのみで、初鹿容疑者を国会答弁に従事させ続けてるんですよね。
これはもう柚木道義議員は初鹿議員にmetooしないとダメでしょうなあ…
などと、目立っていた運動参加者の名前が一様に挙げられた。
また、「旗手」だったバズフィードジャパンも17日17時時点では初鹿氏の書類送検を巡る話題は一切取り上げていない。
こうした事態に、元民主党参議院議員の松浦大吾氏はツイッターで「こういう時に #metoo 運動をやっている人たちが沈黙するから政治的ダブルスタンダードと言われるのだ」と厳しく指摘。
作家の猫組長氏は「初鹿明博の #metoo 運動まだですか」とダンマリする人たちを見越して“催促”。
アゴラ執筆陣では、韓国人フリーライターの崔碩栄氏が「日本のmetoo運動って、どこの政党かによって起きるか起きないかが決まるのか?韓国と一緒だな」と呆れ気味に言及していた。
立憲民主党所属議員の女性問題を巡っては、青山雅幸衆議院議員(比例東海)が女性秘書らへのセクハラ疑惑が浮上し、無期限党員資格停止処分を受けた後の昨年10月に離党。初鹿氏は2016年12月に週刊新潮に不倫未遂疑惑を報道された上、17年秋に今回のセクハラ疑惑を週刊文春に報じられ、党から6か月の役職停止処分を受けていた。
ただ、他人のセクハラ疑惑に厳しいリベラルな人たちに支持された政党だけに、所属議員が当事者になった場合の対応の甘さが常々指摘されていた。