多くの日本人シニアは「お金より時間が貴重」

私の知り合いのシニアのワイン愛好家の方は、若い頃に高級ワインをせっせと集めていましたが、ある時から急にガバガバと飲み始めるようになりました。

どちらかと言うと、人におごったりしない倹約家(悪く言うとケチ)タイプの人でしたが、心境の変化の理由は、ある時にこう思ったからです。

「このままワインをセラーにため込んでいても、結局全部飲みずに死んでしまう。とすれば、飲まない方が、むしろもったいない!」

セラーにワインをため込んでおく愚かさに気づき、それからワインをどんどん開けるようになったのです。

お金や資産をため込んでいても、最終的に自分が使わなければ、その価値を活用することができません。

そして、それらを使うためには時間が必要です。

自分の残り時間があとどれぐらいあるかは、誰にもわかりません。しかし、私と同世代の50代半ばにもなれば、そろそろ残り時間が少ないことに気が付くべきです。

人生の達人とは、お金と時間という2つの希少な資源をバランスよく使うことができる人です。

残された時間がもうそんなに多くないのに、未だにため込んだお金や資産を使い惜しむ。そんな日本人のシニアが、意外に多いのは残念なことです。

それよりも、時間が少ないことを惜しみ、お金をどんどん使っていく。そんなライフスタイルの方が、本人にとっても周囲の人にとっても幸せになれる可能性が高いのです。

時間があってお金がないのも不幸、お金があって時間がないのも不幸。どちらの不幸にもならないように、後悔しない毎日を送りたいものです。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2019年12月20日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。