なぜ会社のランチタイムは「60分カッキリ」なのか?

以前会社員として働いていた時から、会社のルールには、不思議に思うことがたくさんありました。その1つが、ランチの時間です。

FineGraphics/写真AC

私が仕事をしていた会社もそうでしたが、ランチの時間は60分カッキリと決められていました。さらに、会社によっては12時に一斉にランチ休憩になって13時までには戻ってこなければならないというところもあるようです。

会社からランチのお店まで行って、戻ってくるまでが60分というのは、意外にタイトです。混雑しているお店で順番待ちをしたり、少し離れたお店に行って、お茶でも飲んでいると、定刻に戻って来られなくなって焦ったりします。

ある会社で仕事をしていた時は、同じフロアの社員のランチの時間を細かく観察していて、1分でも遅れると注意をしてくる、おせっかいな先輩がいました。1分でも遅刻してはいけないというプレッシャーで、せっかくのランチが気持ちよく楽しめなかったのを良く覚えています。

確かに、会社の就業規則には昼食は60分の休憩と書いてあって、それを破るのはルール違反なのかもしれません。しかし、そもそもそんなルールは廃止してしまっても良いと思います。

ランチの時間だけ60分と一律に縛り付けることによるメリットより、デメリットの方が大きいと思うからです。

例えば、120分ランチをしたら、1時間遅くまで働けば、労働時間としては同じことです。

そもそも、働いた時間で労働の提供量を測るという発想が、既に労働の質を評価することを諦めている残念な人事評価体系と言えるのです。

ランチは60分というルールに縛られる息苦しい会社生活に嫌気がさしている人は、当時から私以外にもたくさんいました。

ランチにどのくらいの時間をかけるかを個人の裁量で決めることができるようにしたら、サボる人が増えて会社の生産性は下がるのでしょうか。変なプレッシャーから解放されて、モチベーションアップからむしろ生産性は上がるのではないかと思います。

日本の会社の就業規則は、工場でベルトコンベアーの流れ作業をする人たちを管理することを前提に作られたような時代遅れのものです。こんな就業規則も、日本人の生産性の低下の要因の1つになっているのではないかと私は思います。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2019年12月21日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。