今週のつぶやき:お騒がせの安倍政権

日本郵政とかんぽ生命は表向きは民営化されているけれど社風も考え方も役所と同じでまったく進化がありません。民営化されたJR、NTT、JTはそれぞれ新しい世界に向かって邁進していったのですが、どうも日本郵政からはさっぱりそのパッションが伝わってきません。挙句の果てに総務省の事務次官がやはり事務次官経験者で日本郵政の現副社長に今回の行政処分内容を漏洩し、事務次官は即刻辞任しました。もしかしたら将来の日本郵政のポジションを狙っていたのでしょうか?情けないです。

では今週のつぶやきです。

来年の株価予想27000円???

日経がアンケートした専門家に聞く来年の日経平均予想は27000円台が最も多くなっています。強気だなぁ、というのが私の感想です。先週金曜日にポーンと24000円台まで上がった日経平均を「踊り過ぎ」と申し上げ事実、今週はずるずると23816円まで下げてきました。外国人投資家がクリスマス休みである一方、新興市場が冴えないので盛り上がりに欠けたというのが私の見方。ただ、来週は少し切り返すと思います。

問題は来年です。私がそこまで強気になれないのは北米の経済は順調といっていますが、それは表面的で「クリスマスライトアップが美しい築80年の家(=よく見ると目も当てられない)」のようなものだからです。株式市場そのものがオピオイド症状で足腰がしっかりしているわけではありません。FRBも2020年は金利が動かないというイメージを押し出していますが、今の世情で大統領選挙や中国、英国離脱など山ほどある事象を踏まえ、来年1年をそんな簡単に見抜くことはできないでしょう。

私は株価が大きくブレる年になるとみています。結果として20年末が上がっているか下がっているかもわからないです。最大の懸念材料は中国経済と習近平氏への求心力の衰えが与える影響力、もう一つは本当にトランプ大統領が再選するのか、であります。市場が再選だと期待している中で逆転した時のインパクトは大きくなります。もっともアマゾンのベゾス氏は笑うかもしれませんが。

一年間お騒がせのセブンイレブン

鈴木敏文氏はセブンイレブンの惨状をどう見ているのでしょうか?勝手に想像すれば「グリップが緩みすぎてボールじゃなくてクラブがすっ飛んでいった」と言いたいのではないでしょうか?賛否両論ある鈴木氏のマネージメントは少なくともセブンアイという巨大組織の求心力をカリスマで維持することができました。ただ、経営者は必ず引退する時が来ます。その時、集団合議制なり戦国時代なりに突入した時、組織は急速に変形し、うまくいけば別の形で立ち直るし、ダメなら苦戦します。

Wikipedia

もう一つの見方は本来であればコンビニそのものが時代と共にもっと変質化しなくてはいけなかったのにカリスマ性がそれを邪魔し、無理に無理を重ねて体裁を保ち続けたけれどそのタガが外れたとき、ぐずぐずになったという見方もできます。これはカリスマ悪者論です。

日本型コンビニは社会インフラといわれながら結局は強烈な営利主義のもと、売れない店はどんどんなくなりインフラの役目なんて全然果たしていないことになります。この焦点が合っていない立ち位置が今のセブンイレブンの脇の甘さでその間にライバル店が猛烈に追い上げる構図になっています。もう一つ、あの有名になった東大阪の店を契約解除するそうです。フランチャイズとは結局、店主の能力と人格によるところが大きいことを見せつけました。

もう一つお騒がせの安倍政権

秋元司衆議院議員(Wikipedia)

政権のグリップも緩いのでしょう。「桜を見る会」は当初5000万円ぽっちの問題という声もありましたが、私は「たかが5000万円、されど5000万円」と最初から申し上げていました。安倍嫌いの野党にとってこれほどおいしいネタはなかったのでゆすり放題だったわけです。そんな中、次に飛び出してきたのが秋元司衆議院議員の統合型リゾート施設(IR)を巡る疑惑で東京地検特捜部の捜査の手が入りました。

東京地検特捜部の予備調査能力は極めて高く、現役の国会議員に踏み込むのは濱嘉之氏の小説のような背景があるからとみています。こんなことばかりが続くせいか最近、安倍首相の威勢の良い声も聞こえてきません。小泉環境大臣の発言も父上に似ていて世の中の一般的解釈と違うことを自信ありげに述べるのですが、二匹目のドジョウになるにはちょっとハードルが高そうです。

かといって野党が一枚岩になるのはもっと難しいでしょう。立憲と国民が一緒になると困るのはそれをサポートしている労働組合であります。連合はすでに支持団体を明白にしていないし、電力総連は原子力発電所がらみもあり立憲なんて支持できないわけです。つまり野党だけではなく、支持団体も崩壊で「日本の政治は実につまらない」という政治無関心派を増やすだけであります。その中で唯一、最近笑顔が絶えないのが麻生さんでなんだか、俺の独り勝ちだとにやつきながらウィスキーを飲んでいる姿が目に浮かびます。

後記

北米ではクリスマスホリディに入ってしまいシェアオフィスも開店休業状態です。実質的に今日20日の午後から来週いっぱいは北米は機能しません。しかし、日本との仕事がある私は年度末もあり必死の戦いとなりそうです。あぁ、私にもサンタは来るんでしょうかね?

北米の皆さんはよいホリディシーズンをお迎えください。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2019年12月21日の記事より転載させていただきました。

会社経営者
ブルーツリーマネージメント社 社長 
カナダで不動産ビジネスをして25年、不動産や起業実務を踏まえた上で世界の中の日本を考え、書き綴っています。ブログは365日切れ目なく経済、マネー、社会、政治など様々なトピックをズバッと斬っています。分かりやすいブログを目指しています。