2019年が終わろうとしている。
今年、日本にとって、いちばん大きな出来事といえば、やはり「令和」という新しい時代を迎えたことだろう。
今回のお代替わりでは、天皇が譲位され「上皇」になるという、新たな形を取られた。新時代の皇室のあり方について、考える時期がきていることは明らかだ。「男系男子」を守るのか。それとも「女性宮家」を設立するのがよいか。いま、本気で議論を始めるべきだ。皇室について語ることをタブーにしてはいけない、と僕は考える。
世界に目を向けても、難しい問題が山積している。まずはアメリカだ。「自国第一主義」を掲げるトランプ大統領の弾劾が、下院で可決した。だが、上院では否決されている。今後、いったいどうなるのか。
一方、韓国とは、関係改善の目途がまったくたっていない。そもそも経済的に厳しい韓国の文政権を、日本がさらに追い詰めてしまったことが問題だと僕は思っている。
そのほか北朝鮮問題、CO2の排出など、日本は早急に考えなければいけない問題が山積みだ。
たいへんな話ばかりしてしまったが、よい話もある。がん検診や治療の進歩には、目を見張るものがある。人間の進歩欲というのか、イノベーションのすばらしさを僕は実感している。
しかし人生100年、いや120年時代になったとき、人間はどう「生きがい」を持つのか。そんなことを考えながら、今年は宗教についても取材を進めた年でもあった。また、AIの著しい進化にも、驚かされた年でもあった。
こうした素晴らしい技術が、人間の幸せにつながるよう、すべての人たちが考えていかねばならない時代だ。そのためにも僕は、来年もまた多くの人に会い、さまざまなテーマで取材をして、情報を発信していく所存だ。
今年は、ほんとうに災害が多い一年でもあった。2020年こそは、平和な年になってほしい。
みなさま、よいお年をお迎えください。来年もよろしくお願いいたします。
編集部より:このブログは「田原総一朗 公式ブログ」2019年12月26日の記事を転載させていただきました。転載を快諾いただいた田原氏、田原事務所に心より感謝いたします。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、「田原総一朗 公式ブログ」をご覧ください。