羽田空港の国際線に夜到着すると、決まった時間にいつも黒服を着て、赤いプレートを持った男性が整列して立っています(写真)。
偉い政治家のセンセイやその筋の怖い人のお出迎えではなく、エミレーツ航空のハイヤー送迎サービスの利用者の到着を待っているドライバーの軍団です。
ファーストクラス、ビジネスクラスの乗客は事前登録しておくと、ハイヤーで無料送迎してもらえます。といっても、エミレーツ航空自体がハイヤーを運行しているのではなく、MKタクシーに送迎業務を委託しています。送迎予約をエミレーツ航空のネットから行うと、送迎日の当日にMKタクシーから確認の連絡が入ります。
エミレーツ航空は、羽田空港に毎日往復一便乗り入れています。羽田発ドバイ行きは深夜の0時30分で、ドバイ国際空港から羽田空港到着は22時45分です。
だから、羽田から出発する乗客を、出発の2時間前の10時半までに羽田空港に送り届け、そのまま羽田空港で待機して、今度は羽田空港に到着した乗客をピックアップしてホテルや自宅に送迎しているのです。MKタクシーのドライバーは、待機も入れて1日5時間くらいの拘束時間になります。
今週、私が利用した時は、20人くらいの黒服ドライバーが赤いプレートを持ち、出口に立っていました。この光景はかなり目立ちます。サンドイッチマンが看板を持って立っているのと同じように(いやそれ以上に)、エミレーツ航空の効果的な宣伝になります。
しかし、立っているのはMKタクシーのドライバーです。外注でコストとオペレーションの負荷をかけずに、マーケティングと顧客サービス向上を実現できます。エミレーツ航空の機内サービスも良かったですが、この送迎サービスが、更にイメージ向上に貢献していると感じました。
大きなコストをかけずに、ハイヤー会社と提携すれば、すぐに実現できそうなサービスですから、日系の航空会社もすぐに追随すれば良いと思いますが、何か障害があるのでしょうか?
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編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2020年1月8日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。