今回の年末年始は大きな出来事がいくつもありました。
イランの革命防衛隊のソレイマニ司令官の殺害、この件は明日やることにして今日はこの人です。
12月31日大晦日の正午、またボーッとNHKニュースを見ていたら、「ゴーン被告 出国か “レバノン到着”報道」と聞いてびっくりしましたね。これ聞いた瞬間に「えっ?海外行っていいの?」て思いました。そのニュースの中でも、保釈条件は渡航禁止と言っていましたから、「これは大変なことになったぞ」と感じましたね。この数日のニュースの中でも、表現としては国外“逃亡”というふうに報じられています。
元旦は分厚い新聞を読んでいましたけれども、朝日新聞には、「主な空港・港湾で行われる税関(Customs)、出入国管理(Immigration)、検疫所(Quarantine)、いわゆるCIQの検査を受けずに出国することは100%できない」という国交省のコメントが載っていて、仮に変装していたとしても、パスポート確認で把握できるとも書いてありました。
では何で出国できたのかと不思議に思うわけですが、ここ数日の報道では、音響設備の運搬機材の中に隠れ忍んでいたらしいです。というのも、他のお客さんがたくさんいる民間航空機とは違って、今回使用されたのはプライベートジェットということで、他のお客さんの安全を確保するという目的がないのでプライベートジェットの場合は保安検査の実施有無は機長の判断に任されていたそうです。
甘いと言わざるを得ないわけですけれども、隠れていたわけですから人間が通ったわけではない、ということで確かに出国時はパスポートはいらない、しかし今度は入国したトルコ、そしてその後のレバノンではパスポートが必要になりますよね。こちらの方だったんでしょう。レバノン政府は、合法的に入国したと発表していますが、こちらではパスポートを見せて入ったようなんですね。ではこのときのパスポートは何か、ゴーン氏の場合はレバノン、ブラジル、フランス、3ヶ国のパスポートを持っていて、フランスについては2通持ってたようです。
東京地裁の保釈条件ではパスポートは弁護人が預かるということになっていたましたが、外国人が日本国内にいる場合に必要な携行用のパスポートとして、フランスのパスポート1通を鍵付きの箱に入れて、所持が許可されていたそうです。そのパスポートを使って入国したんみたいです。これ弁護士の責任はどうなのかという問題ですね。
ゴーン氏の弁護士は数々の有名な選挙で無罪を多く勝ち取ってきた弘中惇一郎という有名な弁護士です。三浦知良さんのロス疑惑や厚労省・村木厚子さんの冤罪事件、安部英さんの薬害エイズ事件、堀江貴文さんのライブドア事件など数々の有名事件を担当し日本最強の弁護士とも呼び名が高い人物です。保釈の条件やパスポートのそういった扱いについては、弁護人が責任を持つことになっているわけですから、この責任は大きいですよね。もしこの責任がきちっと果たされていないとすれば、弁護士がいわば出国をアシストしたということになってしまいます。
今のところカメラの前などでは語っていませんが、ゴーン氏はこうした声明を出しています。
私はいまレバノンにいます。
もはや私は有罪が前提とされ、差別がまん延し、基本的な人権が無視されている不正な日本の司法制度の人質ではなくなります。
日本の司法制度は、国際法や条約のもとで守らなくてはいけない法的な義務を目に余るほど無視しています。
私は正義から逃げたわけではありません。
不公正と政治的迫害から逃れたのです。
いま私はようやくメディアと自由にコミュニケーションできるようになりました。
来週から始めるのを楽しみにしています。
はっきり言って厄介な人を外に達してしまった、厄介な問題を日本は抱えたと言えるでしょうね。
今日8日には記者会見をするということですけれども、自らの正当化のために日本の捜査裁判への批判を展開すると予想されます。
厄介なことになりましたね。
編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2020年1月8日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。