グルメガイド「ミシュラン」が加速させる人気飲食店の予約困難度

内藤 忍

東京の和食の有名店は、予約殺到で大変なことになっています。

今週出かけた神楽坂のミシュラン3つ星店は、平日の夜の予約は、数カ月先まですべて満席。平日の6時から何とか予約が取れた日も、8時15分には次のお客様で入れ替えと言われました。

御成門にある別のお店にはランチで出かけましたが、こちらは夜の予約が全く取れません。次回のランチの予約を4ヶ月後に何とか取って帰りました。

お寿司や和食のお店は、もともと席数が少なく、カウンターが中心となります。お昼と夜に2回転したとしても、8席なら24人分しか席がありません。少ない席を常連がリピートするので、いつも席が取れなくなるのです。

こうなってくると、来店した人は、必ず次回の予約をするようになります。新しく連れてこられた人も新たにローテーションに入りますから、より予約が取りにくくなってしまうのです。

こうして人気店は常連だけで完全に回転するようになり、新規の予約は一切取らなくなってしまうのです。お店にとっても知らない一見さんよりも好みや気心の知れた常連客の方が安心です。

ミシュランガイド公式サイトより編集部引用

この状況に拍車をかけるのがミシュランです。最近は、ミシュランで紹介されると外国人が増えます。星付きのお店になると、評判を見て外国人観光客が予約を入れてきますから、さらに予約困難店になってしまうのです。

実は、ミシュランの星付きでないお店でも、良いお店はたくさんあります。そのようなクオリティーの割に予約が取りやすいお店を探して出かける。その方が、時間の余裕もあり、リラックスして食事を楽しむことができます。

東京オリンピックを控え、東京の人気飲食店はさらに予約が殺到しそうです。

ミシュランに掲載されていない「秘密の名店」が、星付きにならないことを祈りたいと思います。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2020年1月15日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。