日本古来の願いを叶えるシステムの神社参拝。なぜ神社参拝でお願いごとが叶うのでしょうか。神社と神様のヒミツを解き明し、神様とつながる方法を伝えます。
今回は『ネガティブでも開運する神社参拝』(日本文芸社)を紹介します。著者は、八木龍平さん(リュウ博士、社会心理学者)と、MACOさん(作家、メンタルコーチ)。
神社に行く時は、作法やら願いごとに必死になって、肩に力が入ってしまう人が多いと思いますが、正しい参拝の方法をご存知でしょうか。
リュウ博士は、神社で個人のお願いごとをするようになったのは第二次世界対戦後、アメリカの個人主義が入ってきてからだと言います。それまでは全体のためとか、共同体のために自分を使う、というのが神社で祈願することが主流でした。いまは、個人が主体の世の中になったから、自分のお願いをするのが普通になったようです。
自分のお願いごとをするのが悪いわけではありません。しかし、全体の中には個人も入っています。だから、全体がよくなれば、あとは自分の働きを意識さえしていれば、個人的な願いは叶って行くという考えのようです。
リュウ博士は神様のご利益について「神様のご利益=ご神徳は、「挫折」と「後悔」から生まれていると言います。どのような意味があるのでしょうか。
(リュウ博士)「たとえば戦に勝つというご利益のある神様、諏訪大社のタケミナカタは、神話の中で鹿島神宮の神様にボロ負けしている。でも、そのボロ負けしたタケミナカタが武田信玄や徳川家康が戦勝祈願をするくらいの戦の神様になりました。考えてみたら不思議。『ボロ負けしているのに、なんで?』と思います」
(同)「あるいは、失恋したから恋愛の神様になることもある。貴船神社の結祉にイワナガヒメという縁結びの神様がいますが、イワナガヒメは夫になるはずの相手から『お前はダメだ』って言われてすぐ追い返されてしまった。容姿がよろしくないからと断られたんです。でも、イワナガヒメは縁結びの神様になっています」
神社では、最低限のマナーは守りながら、必要以上に気を遣わず、ありのままの自分で参拝するのがいいようです。また、神社はお願いするのではなく、自分の選手宣誓をする場と考えるといいようです。初詣や参拝の参考にしてみましょう。
[本書の評価]★★★★(80点)
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★★★★★「レベル5!家宝として置いておきたい本」90点~100点
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★★★ 「レベル3!期待を裏切らない本」70点~80点未満
★★ 「レベル2!読んでも損は無い本」60点~70点未満
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星無し 「レベル0!読むに値しない本」50点未満
※2020年に紹介した書籍一覧
尾藤克之
コラムニスト、明治大学サービス創新研究所研究員
『頭がいい人の読書術』(すばる舎)を出版しました。