こんにちは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。
昨日の衆議院・予算委員会では、公文書管理を巡る質疑において北村担当大臣がまったく答弁できず立ち往生し、怒った野党議員が次々と退室。
ついには散会し、週明けに質疑を再開するという情けない事態が発生していまいました。
まず大前提としては、理由はどうあれ退室・審議拒否をして委員会を止めるべきではなかったと思います。
新型コロナウイルス対策など課題が渦巻く中、またも国会を停滞させれば、無責任の誹りを免れることはできません。
ただ一方で、北村大臣の答弁・知識レベルがあまりにもひどいことは事実であり、この対応は急務ではないでしょうか。
私も院内中継で一部始終を見ておりましたが、答弁台の前でペーパーを手に立ち尽くし、トントンと手で机を叩きながら立ち往生。
顔色もかなり悪く、「このままぶっ倒れてしまうのではないか?」と心配になるほどでした。
(その模様は「衆議院インターネット中継」ライブラリからご覧いただけます)
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私は率直に、北村大臣ではもはやこの問題・事態への対処は無理だと思います。
6日の質疑からすでに、北村大臣が「珍答弁」を繰り返す姿は何度もメディアに報道されています。
こんな格好の「ターゲット」を見つけたからには、今後の一部野党の攻撃は北村大臣に集中し、また国会が停滞する事態になるでしょう。それはすべての国民にとって不幸です。
自民・石破氏「同情禁じ得ぬ」 野党質問集中の北村地方相を擁護(産経新聞)
「北村氏が大臣として対応していたときのことでもない(昨年4月の)『桜を見る会』関連で追及されているのを見ると同情を禁じ得ない」と投稿した。
石破議員も指摘するように、「桜を見る会」が行われたのは北村大臣の就任前ですし、またこの問題が明らかになったのも大臣就任後しばらく経ってからの話です。
ある意味では「不測の事態」だったわけですから、担当大臣を交代させる名目はなんとか立つのではないでしょうか。
もちろんそうなれば、一部野党が「任命責任が…」と責め立てることは間違いありませんが、それはいずれにせよ言われることですし、このままずっと国会質疑で謎の押し問答が続くより遥かにマシなはずです。
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そしてこれを機に、期数年齢順の年功序列・派閥順送りの論功行賞による大臣人事は見直すべきです。
「そこら辺の人の良い町のおじさんをいじめているわけでも何でもない。公文書を管理する責任者である国務大臣に対し、私たちは公の場でやっている」(国民民主党・渡辺周 予算委筆頭理事)
これに対し、自民党内では・・・。
「大丈夫じゃないことは最初から分かっていたよ」(自民党若手議員)
「まあ、起こるべくして起きた問題だ」(与党幹部)
(「北村大臣“迷答弁”で野党反発、資質追及へ与党も困惑」より抜粋、強調筆者)
北村大臣が人格者であり、誰からも愛される人物だという話は色々なところで聞きます。たぶん、そうなんだろうと思います。
しかしながら、そういうベテランの「良い人」が国の舵取りや危機管理をする国務大臣で果たして良いのでしょうか?
もはや高度経済成長と優秀な官僚に支えられ、「良い人」がお飾りでトップに立っていれば良いという幸せな時代は終わりました。
今後は実力本位で、危機管理にも優れた真にマネジメント能力のある人材を大臣に抜擢していかなければ、国会も国の舵取りも早晩に立ち行かなくなるでしょう。
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若手閣僚が次々と抜擢される諸外国を尻目に、非生産的なやり取りや審議拒否が繰り返される我が国会。
ため息が出る想いですが、なんとか建設的な議論へと立て直せるよう、我々は審議拒否などをせず提案を続けていきたいと思います。
それでは、また明日。
編集部より:この記事は、参議院議員、音喜多駿氏(東京選挙区、日本維新の会、地域政党あたらしい党代表)のブログ2020年2月7日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。