東京新聞の望月衣塑子記者が官邸記者クラブを非難したツイートに対し、毎日新聞が「事実無根」だと報道した問題は、望月氏に同調する「反権力」側のジャーナリスト側がここにきて望月氏を擁護し、毎日報道を逆に批判的に論じるネット記事が出始めた。
ジャーナリスト志葉玲氏は自らのサイトで『毎日新聞は望月記者を何故叩くのか?メディア関係者らが語る「記者会の闇」』と題した論考をアップし、望月氏を全面的に擁護。「本投稿の目的は毎日新聞を攻撃することではない」などと書いておきながら、「望月記者への批判が、秋山記者個人だけではなく、毎日新聞として行こなわれているフシが感じられることだ」と述べるなど、内容も支離滅裂になっている。
すでに左派系のジャーナリストなどから、リベラルメディア間の分断を懸念する声があがっており、志葉氏の記事もある種の焦りをにじませているように見える。
一方、騒ぎの当事者、東京新聞はこの間、労組のツイッターが望月擁護を発信したのみで、社としては毎日新聞への回答以外に公式な声明は出していないとみられる。きのう(11日)の朝刊では『閣僚答弁の混乱 「桜」私物化こそ本質だ』と題した社説を掲載した。
閣僚答弁の混乱 「桜」私物化こそ本質だ
公文書管理を所管する北村誠吾地方創生担当相の答弁が混乱している。野党側が指摘する閣僚の資質欠如に加えて、首相による「桜を見る会」の私物化疑惑が背景にあることを忘れてはならない。
きのうの衆院予算委員会は開会が約一時間ずれ込むなど、冒頭から荒れ模様となった。その原因は北村氏の答弁混乱である。
しかし、この内容を前回の記事と同じく、主語を政権側から東京新聞と望月氏に置き換えてみると…
望月氏ツイートの混乱 記者会見私物化こそ本質だ
菅官房長官の記者会見に出席する望月衣塑子記者の発信を巡る論争が混迷している。毎日新聞側が「事実に反する」と指摘する内容に加えて、望月記者による記者会見の私物化が背景にあることを忘れてはならない。
ツイッターで望月氏のシンパとアンチが入り乱れて論争になるなど、週明けも荒れ模様となった。その原因は望月氏と東京新聞が事実上事態を放置している対応にある。
望月氏と東京新聞は12日昼時点で問題のツイート削除に応じていないが、黙殺する限り、毎日新聞の秋山信一記者に「メディアの世界にいる者として情けない」と言わしめた状況が続きそうだ。