本を速く読みたいなら頭のなかで「音読」してはいけない

(筆者撮影)

読書をするとき、ただ漫然と読みはじめている人はいませんか。もちろん、楽しむときの読書はそれでもいいのですが、限られた時間で本を読まなくてはいけないとき、いくつかの方法を加味することで読書のスピードや吸収力が一気に加速します。

今回は新著『頭がいい人の読書術』(すばる舎)から、読書テクニックをお教えします。

本を速く読むには大切なポイントがあります。それは、音読をしないことです。人は文章を読む際に、頭のなかで音声化してしまう癖があります。これは、小学校、中学校の国語の授業で、音読を推奨しているからでしょう。文章を頭のなかで音声化してしまうと、読むスピードは確実に落ちます。

人が聞き取りやすい文字数は1分間に300〜350文字といわれています。1分間に300〜350文字を読み上げるスピードは、テレビ局のアナウンサーの平均です。これが400文字以上だと早口だと思われます。

単行本の1ページの文字数は、1行40文字×15行=600文字で設定されていることが多いです(本書は読みやすさを重視し、1行37文字×13行=481文字です)。これを1分間に300文字のスピードで読み上げると、600文字を音読したら約2分かかる勘定になります。

3倍速は40秒です。それ以上の速さで読み上げたら、速すぎて聞き取ることはできません。音声化してしまうと、読むスピードは確実に落ちるので、音読をしてはいけないのです。

読みながら感覚をつかむのがいいと思います。材料は新聞がいいでしょう。新聞の 1 行は11文字〜13文字程度なので、サッと一目で読むには便利な教材です。新聞の種類はなんでもかまいません。ちょっとしたトレーニングのつもりではじめてみてください。

毎日の時間に「読書タイム」があると、人生は豊かになります。日々の生活のなかに、ほんの少し読書の時間があるだけで、心にゆとりができ、仕事もプライベートも充実していくはずです。好きな本に囲まれ、好きな本と過ごす時間は、何ものにも代えがたいものです。

私自身、多くの本を読み、アウトプットすることで成長することができました。読書習慣で、人生は好転するのです。

あなたが、心を豊かにする1冊に出会えることをお祈りしています。

尾藤克之
コラムニスト、明治大学サービス創新研究所研究員
16作品目となる『頭がいい人の読書術』(すばる舎)を出版しました。
※2/14現在、amazon・読書術、図書館情報学の2部門でベストセラー1位。