中止の判断は慎重に:なんでもかんでも中止は首を締める

新型コロナウイルスの感染拡大でいろんなイベントが次々に中止になっています。

今週初めには大きな発表が二つありました。
一つは3月1日開催の東京マラソンで一般参加者の部を注視して規模を縮小、もう一つは2月23日の今上天皇陛下になって初めての天皇誕生日の一般参賀が中止になりました。

発生源の中国では日本の国会に相当する3月5日から開幕予定だった中国の全国人民代表大会(全人代)が延期になりました。また同じ北京で4月に開催予定だったアイドルグループ嵐のコンサートも、中止が決まりました。スペインのバルセロナで開催予定だった世界最大級の携帯通信関連イベント「モバイル・ワールド・コングレス(MWC)」(スペイン)も中止が決まるなど、世界中に中止の動きが広がっています。

昨日も、今週末21日から23日に北海道内で開催予定だった「2020年第7回スペシャルオリンピックス日本冬季ナショナルゲーム・北海道」が中止になりました。私がよく知るパシフィコ横浜で行われる予定だった展示会やアイドルグループの握手会などの中止や延期が相次いで発表されています。

まだまだ他にもこんなに発表が出ています。

野村ホールディングス 東京五輪応援イベント(札幌)を中止
日本生命 インターンシップ(東京)を中止
トヨタ自動車 取引先との総会(名古屋)を中止
メルカリ 事業戦略発表会をインターネット配信に切り替え
みずほ証券 支店でのセミナーや勉強会を中止
CP+ (カメラと写真のワールドプレミアショー) イベント中止(神奈川)
大阪伊丹空港 2月の全イベントを中止(兵庫)
Line 2月〜3月の流通・小売対象のセミナーを全中止

などなどまだまだあります。

今は2月ですけれども、3月〜4月は卒業式・入学式、入社式、人事異動など・・・・1年に一度の節目を迎えます。これらに伴う行事は、先ほど触れたような大規模なイベントではなく、地域での催しや学校、会社、仲間内などのものなどいろいろありますよね。当然ですが、それらについても主催者や幹事会が開催の可否や延期を判断していかなければいけません。

そういった全てに国や行政に明確な基準を作ってはくれません。例えば“10人以上集まる場合は中止”ということはあり得ないですよね。しかも、全てのイベントや催事を中止、延期にするわけにもいきません。

では、どうしていくか。

これについて加藤勝信厚生労働大臣や政府はこう呼びかけています。

「感染予防のために、手洗いや咳エチケットなどにしっかり取り組んでもらうとともに、特に高齢者や基礎疾患のある人などは、人混みの多いところは避けてもらう」

一方で、仲間内の送別会など中止するというのもいかがなものかと私は思います。予防的観点から個人が気をつけるべき点というのはすでに明らかになっています。例えば、人混みを避けマスクをする、手を細やかに洗う、目や鼻を触らないなどです。そういう意味では催しを開催するとしても、来場途中や会場で徹底する運営が大事だと私は思います。少人数の食事会まで中止にしていては、経済が悪くなってしまいます。

一律に中止する思考ではなく、よく考えて判断するということに尽きますね。
こういう時期なので、不便さや煩わしさは仕方がないとお互い共有して判断することでしょう。


編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2020年2月20日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。