東京マラソンの一般参加が中止になりました。これはやむを得ないのですが、参加料16200円の返金をしないのはおかしいと思います。主催者である東京マラソン財団はその規約を理由に返金を拒んでいますが、一時、中国人参加者には返金するとしていました。(現在はそれも撤回。)裁判沙汰になる気がしますが、規約にある広義の意味での「関係当局より中止の要請を受けた場合」に当たるのではないでしょうか?財団は社会情勢を鑑み一般参加を中止したわけでそれは実質的な関係当局からの依頼だったはずです。批判は免れないでしょうね。
では今週のつぶやきです。
株価と為替、どっちに向かう?
株価と為替がどっちに向かうか分かれば誰でも大儲けできるのですが、分からないからこそ、理由をつけてあぁでもない、こうでもないというのがこの世界。お前はどうしているのか、といえば実は金(ゴールド)絡みにシフトしていたので果実をものにしています。結局、分からないものには手を出さす、手堅いゴールドが正解だった、ということになります。
株価については個人的には目先はいったん戻すとみています。これは新型肺炎の中国での発症者が減りつつあり、現在の目線が二次感染などに話題が移りつつあると感じるからです。株式市場は感染のピークアウトへの期待感を待ち望んでいるという状況にあります。
ただ、何度かお伝えしているように企業業績が相当悪化しているため、日本企業の3月決算は冴えないものになりそうです。アメリカ市場はまだ回復できる余地はあると思います。中国も我慢していたものが爆発するような回復をするとみています。
為替ですが、112円台を付けたのは驚きでありますが、株価がそれに見合う反応をしなかったのは日本経済の見通しがいかにネガティブになっているか表すものだと思います。安倍政権や黒田総裁は円安誘導をテクニック論として行ってきたわけですが、根本的には間違いで円高になればなるほど稼げる企業体質への変化を進めるべきだったはずではないでしょうか?
微妙な検事総長人事に絡む定年延長問題
国会で激しい攻防となっているのが検事総長にさせるために定年延長させた黒川弘務氏の扱いであります。週刊誌が大好きなネタであり、結果を出すために理由を作ったと言って間違いないでしょう。なぜ、黒川氏だけが特別扱いされるのか、といえば政権への忖度と非常に賢い黒幕役を長年、仰せつかり、しっかりとその役割を果たしてきたから、というのがその理由であります。
この解釈のゆがみが生まれたのは検事総長だけ定年が65歳で他は63歳というギャップであります。ただ、定年という話をすれば社会一般に定年撤廃が進みつつあり、国家公務員も2030年に65歳まで引き上げることになっています。正直遅い歩みで多分一般企業では30年には定年70歳とか定年廃止となっているとみています。よってそれほど目くじらを立てる話でもない気はしています。
ただ、黒川氏だけがよい思いをするというのは不公平であり、官邸人事そのものでありますが、ばかばかしい上に一般社会で話題にするには高等過ぎるのか、思ったほど社会からの反発がないのもこの一件の特徴ではあります。個人的には官邸は黒川氏をそこまでして検事総長にさせたいのかと思います。
泥沼の前田建設、前田道路のTOB
前田建設工業が前田道路にTOBを仕掛けているのですが、醜い争いになっています。前田建設は前田道路の筆頭株主で24%の株式を持ちますが、今般その買い増しを目指す一方、前田道路は資本関係解消を求めています。両者の間に業務的な密接さはないとされますが、前田建設は道路に対して「自分の方に向かせたい」という思いがあるように感じます。
徹底対抗する道路側はホワイトナイトを探しますが、どうやっても騎士は現れず、これで一巻の終わりかと思ったら手持ち資金を特別配当で吐き出すという焦土作戦に出たのです。手持ち現金の850億円に対して特別配当を535億円出し企業価値を下げるという無茶な行動に出るのです。
仮にそこまでして今回のTOB阻止を乗り切ったとしても株主総会が乗り切れない気がします。現経営陣がとった行為が経営的に正しくないという株主代表訴訟を起こされるでしょうから経営陣の退陣は免れないでしょう。最終的には前田建設の勝ちになるとみています。(勝てないようならよっぽどの腰抜けです。)しかし、企業経営がこんなくだらない争いでグタグタになるようでは企業の社員なんてやってられないでしょうね。私はまっぴらごめんでございます。
後記
トランプ大統領がアカデミー賞の作品賞を韓国作品が受賞したことに怒りを爆発させているのが滑稽であります。そのコメントが「韓国とは貿易分野で様々な問題を抱えている。その上、今年最高の映画の称号を与えるのか?」というわけです。貿易分野の問題というより外交と防衛ではないかと思いますが、文化と政治は不可分となればアメリカ様は神様ですと拝まねばならない時代になったのかもしれません。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2020年2月22日の記事より転載させていただきました。