株式市場が暴落すると嬉しくなる「2つの理由」

内藤 忍

世界の株式市場が大きく調整しています。アメリカはダウが2日で下げ幅は1911ドルと過去最大となりました。個人投資家には厳しいと思われる株価の動きですが、私はポジティブに捉えています。それは、決して強がりを言っているのではありません。

(日本経済新聞電子版から)

(日本経済新聞電子版から)

嬉しくなる1つ目の理由は、株価の下落に伴う金利の低下です。株式市場から債券市場に資金がシフトし、市場の金利も低下しています(図表は日本経済新聞電子版から)。株価の下落によって、世界的な追加金融緩和の可能性が高まります。そうなれば、市場金利が上昇するリスクが低下し、大きな安心感を得られるのです。

現在の、私の保有資産の80%以上は不動産で、借入は10億円を超えています。私のように、お金を借りる力を使っている人にとって、一番困るのは金利の上昇です。

株価の下落はその一番の不安を解消してくれるのです。

そして、嬉しくなるもう1つの理由は、株価の下落によって、株式を割安に購入することができる事です。

金融資産の運用に関しては、もう15年近くマネックス証券でグローバル株式投信の積立を行っています。毎月定額で自動購入することで、ドルコスト平均法による資産構築が可能です。しかも毎月自動買付なので何もすることはありません。

この積立は目先の値上がりを狙っているのではなく、10年先くらいに現金化した時に利益が出れば良いと思っている長期投資です。

だから、今値上がりするより、むしろ安くなってくれた方が、購入単価を引き下げることができます。

実際リーマンショックの時に積立していたお陰で大きな含み益を得ることができました。株式投資のピンチはチャンスなのです。

新型コロナウイルスに関しては、まだまだ拡大の可能性があり、マーケットは更に下押しするかもしれません。しかし、過去の経験からすれば、いずれ収束し、それに伴ってマーケットも徐々に落ち着きを取り戻すはずです。

暴落をやみくもに恐れるのではなく、資産運用の方法を工夫することで、このような急変する投資環境でもストレスなく過ごせる方法を考える。そのための知恵と情報を資産デザイン研究所では個人投資家の皆様に提供しています。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2020年2月26日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。