2月13日、ロシアの憲法改正議論で、『ロシアの領土を譲渡することを禁止するよう規定し、相手と交渉すらすべきでない』と提案されました。この提案は、憲法改正の作業部会のメンバーが、明らかに日本の北方領土に対した発言ですね。この提案に対しプーチン大統領は「いくつかの問題について、我々のパートナー国たちと、ともかくも対話は行なわれている。しかしアイデアそのものは気に入った。」と賛同したようです。
北方領土についてはお願いだから皆さん、1回でいいから読んで本質を頭に入れてください。
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要するに、当時のソ連が二重、三重にルールを破って武力で占領して現在の実効支配に至っています。
そして、1956年の日ソ共同宣言でも、平和条約締結後に色丹島と歯舞諸島を引き渡すと明確に書かれているわけですから、すなわち現在の日露間(旧日ソ間)で明らかな領土問題として認識をされていることになります。
ここ近年はロシア側から「北方領土について第二次世界大戦の結果、正統にロシア領になった」などという発言がちらほら出ていますが、「嘘つき」「いかげんにしろ」「ちゃんとや約束守れ」と言いたいです。
今回の領土を割譲禁止を憲法に盛り込むことについて、NHKがロシアの大統領府に取材をしたようなんです。それによると、北方領土をめぐる日本との交渉については、「日本との交渉は領土の割譲などではなく、あくまでも国境線の画定に関するもので、現在進められている平和条約交渉に直ちに影響を与えるものではない」と発言があったそうです。
誰の発言かについては明らかになっていませんが、この発言をそのまま理解をしたとすれば、まだ国境線が日本とロシアの間で確定をしていないのだからロシアの領土ではないということで交渉は継続をするというふうに捉えることができます。しかし私は、「こうした強硬論がロシア国内にはあることを日本側に伝えることによって、簡単に返すことはないよ」というメッセージを伝えてきていると聞こえます。
言いたくはないですが、はっきり言いましょう。
私は、ロシアには返す気がないと思います。
ただ望みとしては、安倍総理とプーチン大統領が長年築いてきた関係でこじ開けられるかということです。すなわち、安倍総理とプーチン大統領の関係が終われば、すなわち安倍総理が総理の座を退くことになったら、私は絶望的だと正直思います。
仮にロシア経済がボロボロになり、現在のロシア体制が崩れかねないとなった時に、日本に「お願いだから助けてくれ、領土は返すから」などとならない限り、話し合いで何とかなるということはないように、本当に言いたくないけど思えるわけです。
領土を割譲禁止というのはさっきも言ったようにロシアの憲法改正議論の中で出てきましたが、考えてみれば、日本の憲法改正の全然進んでないけどどうなっているのでしょうか?
※日ソ共同宣言とは
ソ連がサン・フランシスコ平和条約への署名を拒否したため、我が国はソ連との間で平和条約交渉を別途行うこととなり、1956年、日ソ両国は日ソ共同宣言を締結して、戦争状態を終了させ、外交関係を再開しました。日ソ共同宣言は、日ソ両国の立法府での承認を受けて批准された法的拘束力を有する条約です。
同宣言において、両国は、正常な外交関係が回復された後、平和条約の交渉を継続することとなっており、またソ連は、平和条約の締結後に歯舞群島及び色丹島を我が国に引き渡すこととなっています。
(外務省HP 北方領土問題に関するQ&Aより)
編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2020年2月26日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。