今が正念場…政府も国民も真剣に慎重に考えて行動を

最新の新型コロナウイルス の感染者数世界で80961人、そのうち日本国内は157人(チャーター便帰国者・クルーズ船除く)となりました。※2/26 0時現在

一昨日、政府は新型コロナウイルス感染症対策の基本方針を発表しました。それによると、企業には、風邪などの社員がいた場合には、休暇取得を進めたり、テレワークや時差出勤を求めています。また、イベントなどについては主催者に感染の広がりや、会場の状況で開催の可否を検討するように求めました。

政府の方針を受けイベントの中止や延期、開催方法の見直しが進められています。例えばサッカーのJリーグは、3月15日までの94試合の延期を発表しましたし、プロ野球も既にオープン戦が始まっていますが、無観客試合も発表されています。また地域のイベントなども中止や延期が相次いでいます。

実は私も私の事務所が主催する今週末と来週のイベントに関して延期を決めました。いづれも、飲食を伴うことや、高齢者の参加が多数見込まれていたため、最終的に延期の判断をしたまでです。

47都道府県中最多となる 人の感染者が出ている北海道では、今日から全ての公立の小中学校を臨時の休校を決めました。私立の小中学校にも休校を求めていくそうですが、今後は他の都府県にも広がっていきそうです。

先週ダイヤモンドプリンセス号に乗り込んだ神戸大学感染症内科の岩田健太郎教授が、クルーズ船内での感染対策の不備をYoutTubeで指摘しました。岩田教授によると、船内で感染の疑いのない安全なグリーンゾーンと、一方で疑いがあるレッドゾーンがしっかりと分けられていないなど、専門家として駄目出しをしていました。

最初、メディアで報じられている岩田教授の発言を見たときに、「そもそも論を今言ってもしょうがないじゃないか」と私は思いましたが、彼の発言全部を見て乗船する経緯などを含めて、発言内容の意図がよくわかりました。

事態が起きている最中、進行している最中というのは、そもそも論をやっている場合ではなく、対応しなければいけません。その意味では今、日本列島という観点で考えればまさにそもそもの原点にいるわけです。

正直、政府が出した基本方針は抽象的で、“これは駄目”という踏み込んだ内容はありませんでした。経済への配慮、人権への配慮という意味では致し方ないとは思いますが、後でオリンピックができなくなったときに、“あの時そもそも”という今そこにいるわけですね。

専門家はこの1〜2週間が国内で大流行、いわば国内パンデミックになるかどうかのわかれ目と言っています。昨日、安倍総理が、大規模なスポーツや文化イベントなどについて、今後2週間程度、中止か延期、または規模を縮小するよう要請しました。

私は、ここは本当に踏み込むべき時期だと思うし、国民もそれを文句ではなく受けとめる必要があると思います。


編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2020年2月27日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。