知っトク解説:今回は“実物資産”

中田宏の知っトク解説。今回は“実物資産”

株式や国債、社債、投資信託、現金など、金融機関で買ったり預けたりするものを金融資産と言います。

これに対して、実物資産とは何でしょうか。
金融資産は紙に金額や利率などが書いてあるわけで、紙自体には紙の価値しかありませんから、要するに紙そのものには価値がありません。しかし、実物資産は実態や現物がある資産のことで、広い意味では価値があるものすべてが実物資産になります。

通常、実物資産は大きくは3つに分けられます。

代表的なものに、金・銀・銅・プラチナ・ダイヤモンドなど歴史的に価値が認められてきた貴金属です。2つ目に、土地やマンション、建物などの不動産があります。3つ目には、相場ものとも言える美術品やワイン、ウイスキー、クラッシクカー、近年ではスニーカーなど、いずれも希少性の高いものです。

これらの中でも特に歴史的に価値が認められてきたものは金です。金は古くは通貨として用いられていたこともあり、また、長らく宝飾品としての価値も認められてきました。これまで人類が採掘してきた金は、オリンピック公式プール(50mプール)3.7杯分相当(18万t)しかなく、希少性は極めて高いと言えます。

世界各国は為替相場の安定や債務返済に充てるために、国際通貨基金(IMF)が外貨不足に陥らないように加盟国の中央銀行に外貨準備を義務づけ、加盟国は、外貨準備の一部として金を保有しているルールなどもあります。

こうしたことで、実物資産の中でも、実需に左右される銅などとも違い、また経済に左右される不動産などとも違って、安定度が高いわけです。従って、経済の先行きが不透明だったり、株式市場が下落した場合などには金に買いが集まって金の価格は上昇します。逆に世界の経済が逆に世界の経済が成長していたり、株価が上がっているときなどは、金の価格は下落する傾向にあります。

ここ10年の金価格はこのように推移しています。

2009年 平均価格 2,951円/g
2019 年 平均価格 4,918円/g


編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2020年3月2日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。