コロナショックとリーマンショックの違い

内藤 忍

新型コロナウィルスによる金融マーケットへの影響が今週も拡大しています。日本株式は日経平均で17000円台まで下落。日本経済新聞電子版には、図表のような高配当利回り株リストが添付されていました。

(日本経済新聞電子版から)

(日本経済新聞電子版から)

今回の混乱を2008年のリーマンショックと比較する人が増えています。しかし、2つのショックは似ているようで、大きな違いがあると感じています。

コロナショックは、新型コロナウィルスが引き起こした問題です。ウイルスが広がった原因はまだ正確には解明されていませんが、ある種の「天災」と言えます。

一方のリーマンショックは、リーマンブラザーズという投資銀行が想定外の破たんをしたことで、金融マーケットの資金の流れが止まったことによる「人災」です。資本主義経済への疑心暗鬼がグローバルな金融機能を麻痺させ、実体経済にも大きな影響を与えました。

個人的にも、2つのショックには、大きな違いを感じています。

リーマンショックの時は、ネット証券のマネックスグループで仕事をしており、金融のど真ん中でショックに遭遇しました。

また、当時の個人の保有資産は100%金融資産で、不動産などの実物資産はゼロ。保有している株式や投資信託の急激な資産価値の下落に恐怖を感じました。

しかし、今は金融マーケットとは、インデックスファンドやFXの取引くらいしか関係がなくなりました。株式は大半を売却しており、資産のほとんどは国内外の不動産、あるいは太陽光発電設備などのインカム資産です。

金融マーケットが混乱する中、東京23区の不動産賃貸物件は満室稼働。安定した売電収入をもたらす太陽光発電設備と合わせて、平常時と変わらないキャッシュフローが続いています。

改めて個人投資家の皆様に伝えたいことは、金融資産だけで資産形成するのは、リスクが高いということです。

特に年齢が高くなればなるほど、不動産のようなマーケット変動に左右されにくい資産の比率を上げていくべきだと思っています。

コロナショックをきっかけに、金融資産から不動産への資産シフトを真剣に考える個人投資家が増えると予想しています。実際、不動産投資セミナーへの参加希望者は増えており、今月のセミナーはすべて満席になってしまいました。

そこで、4月にも追加で少人数のセミナー開催することにしました。本日17時配信の資産デザイン研究所メールで先行してご案内します。マーケット変動に左右されにくい資産運用をしたい方は、無料のメールマガジンをご覧の上、お申込みください。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2020年3月13日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。