「筋トレおじさん」が増えているワケ

内藤 忍

中高年の男性向け雑誌「ゲーテ」の最新号で、筋トレが特集されていました(写真は日本経済新聞に掲載された広告)。

私もパーソナルトレーニングに通い始めてから、2年ほど経ちます。最近、私と同じように、ジム通いを始める人が中高年男性に増えているようで、スタジオに行くと同年代の男性の姿が目立つようになりました。筋トレを始めるおじさんが増えているのは、なぜなのでしょうか

まず仕事上のメリットです。

私の周りにいる営業や人前に立つ仕事をして成果を出している人は、服装や髪型といった身だしなみに気を使うだけではなく、体型を維持することにお金と時間をかけています。

だらしない体型をした人よりシェイプアップされた身体を維持している人から話を聞いたりサービスを受けたい。これは人間の自然な感情だと思います。体型がイマイチでは、せっかくのブランド品や高級時計も色褪せます。

2つ目は継続することで、確実に成果が出るのが楽しいからです。

ゴルフや将棋・囲碁と似て、筋トレは、コツコツと努力を続ければ成果が必ず出てきます。1日で成果が出るものではなく半年、1年と積み重ねて結果が出てきます。結果が見えてくるとモチベーションが上がり、更に続けることができるのです。

そして、3つ目は自己承認欲求です。

体が引き締まってシェイプパップされると、周囲の人から「痩せましたね」「体型が変わりましたね」などと、褒められることが多くなります。年齢とともに劣化していくおじさんにとって、筋トレは数少ない自己承認欲求が満たされることなのです。

これから夏にかけて、また筋トレを始める人が増えてきそうです。

自分の肉体に関心を持つ「筋トレおじさん」が増えるのは良い事です。しかし、通っているパーソナルトレーニングの予約が取りにくくなるのは、個人的には困った問題です。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2020年3月15日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

アバター画像
資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。