知っトク解説:今回は”教育委員会”

中田宏の知っトク解説。今回は”教育委員会”
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために、安倍総理大臣は、市町村立の小中学校、都道府県立の高校、特別養護学校などの休校を要請しましたが、政府も総理大臣も要請はできても、休校を決めることはできません。なぜならば、それを決めるのは各教育委員会だからです。

教育委員会は、法律に基づいて都道府県と市町村に設置される合議制の機関です。
5人から6人の教育委員で構成されています。

教育委員会が所管するのは義務教育、生涯学習、文化、スポーツなどがありますが、具体的には、義務教育については学校設置したり、教員の任命や処分の人事、校舎などの施設の整備、教科書の決定、学校給食に関する決定などがあります。

文化や芸術については、文化財の保存や美術館の設置・運営、文化事業の実施などがあります。実は教育委員会は、それらの責任者でもあります。責任者と言えば普通は人物を思い浮かべますが、教育委員会が、以上のことについては執行する全ての責任を負っています。知事や市長らから独立して中立性を確保することになっています。教育委員会のメンバーである教育委員長や教育長も責任者ではありません。教育委員会という組織が、教育についての責任を持つという法律の形になっています。

ところが、その結果、教育委員会が無責任な組織になっていることも大きな社会問題になりました。例えばいじめなどの教育現場で発生する様々な問題に対して、教育委員会の対応が問題視されることが幾度もありました。そこで、平成26年(2014年)に知事や市長が一定の関与できるようにすることなどの法律改正が行われました。


編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2020年3月16日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。