こんにちは。新宿区議会議員の伊藤陽平です。
昨日の香川県議会本会議で、ネット・ゲーム依存症対策条例が可決されました。
香川県ネット・ゲーム規制条例案、可決 「県民をネット・ゲームから守る」 – ITmedia NEWS
香川県議会のネット中継をみていました。
討論や議案態度で、理由を述べて反対を表明してくださったみなさまには深く感謝を申し上げます。
広域自治体という約100万人にも及ぶ広範囲に影響を与えることになります。
また、新宿区内の事業者も条例の対象となることも問題だと考えています。
審査の過程も非公開で異例の状態でした。
政治の現場では、判断材料が乏しい中で意思決定をしなければならないことはあります。
しかし、今回のようにパブリックコメントなど存在する情報さえも閲覧が禁止されている状態にありました。民意を反映した議論も議案態度を示すこともできるとは思えません。
香川ゲーム規制条例、検討委に聞く「議員すら見られないパブコメ」のおかしさ 「400件の反対意見」は県に届かなかったのか – ねとらぼ
当初よりも「スマートフォン使用などの制限」を「家庭におけるルールづくり」に変更されるなど緩和されました。
しかし、そもそも意思があって行われるべきはずの「自主規制(しかも他自治体含む)」や「家庭でのルール作り」に権力が介入すること自体に問題があります。
一度条例が可決されてしまえば、今後さまざまな理由で予算が増えたり、規制が厳しくなる可能性もあります。
職員の人件費や予算が発生しますが、税金の使い道としても正しいのか疑問しかありません。
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異例の条例が可決され、前例ができてしまいました。
大館市など他の自治体に広がっていますし、香川県議会議長も国に働きかけをするというコメントをされていました。
賛成討論の中でも、
「時代を担う子どもの健やかな成長を願う」
とのご発言がありましたが、こうした条例が可決された後もゲームが好きは子ども、あるいは居場所としている子どもには、これからも好きなことに打ち込んで健やかに成長していただきたいと思います。
WHOによるゲーム依存症の定義は、「12カ月以上ゲームにより社会生活に支障が出てしまう状態」とのことですが、該当する子どもはどれだけいるのでしょうか。
憲法や子どもの権利条約にも矛盾する考えは健やかな成長とは逆行するもので、広めてはいけない考えです。
新宿区議会でもこの問題を取り上げましたが、十分にご理解をいただけたと評価しています。
事業者を有する全国の自治体でも対応をすべきだと考えています。
引き続き問題が広がらないよう、活動を行なってまいります。
それでは本日はこの辺で。