立憲民主党は野党では一番人気があったはずですが、「女性陣の乱」に枝野旋風はタジタジになっているようです。山尾、石垣両氏に刺激されたのか、モノを言う若手議員が枝野氏に迫り、コロナ対策の野党案として消費税減税案を当初渋ったこともあり更に不人気化してしまったようです。このような野党のことを「烏合の衆」というのでしょう。これでは政権交代は100年経ってもなさそうです。
それでは今週のつぶやきをお送りします。
株は底値に近いが、倒産に要注意
ブルームバーグには「『一生に1度の大バーゲン』、世界の超富裕層が株式爆買い」とあり、アイカーン氏やバフェット氏が爆買いを始めたと報じられています。1-2カ月前に比べ2分の1、3分の1は当たり前、5分の1に10分の1もあるとなれば同じお金で5倍、10倍の株数がゲットできるのですから長期保有を前提にすれば手持ちの平均取得額を下げるナンピン効果が絶大になるチャンスであります。
「一生に1度の大バーゲン」、世界の超富裕層が株式爆買い https://t.co/Dlb5MLTc0b
— ブルームバーグニュース (@BloombergJapan) March 20, 2020
ただ、欧米の企業倒産には本当に気を付けた方がよろしいかと思います。特に新興市場系の銘柄は突然死することもあります。英国では老舗のローラアシュレイですらコロナ関連倒産しましたが、これから数カ月は倒産ラッシュに要注意です。一方、東京市場は北米市場に比べ、ボラティリティが少ないことがこの2週間ぐらいの動きで明白になっています。ダウは1000ドル以上動いた日が8日ぐらい続きましたが日経平均が1000円以上動いた日は全部合わせても数日しかなかったはずです。
苦しいのはソフトバンクGかもしれません。同社が出資している通信衛星ベンチャーのワンウェブが破産申請の可能性を模索しているようです。同社を巡ってはウィワークの扱いを巡っても方針変更があるのではないかとささやかれており、投資先の激変の荒波をもろにかぶっています。同社の看板投資先であるウーバーは株価が1日に2-3割動くこともある荒い展開となっており、強弱感の対立が見て取れます。ただこの時期、ライドシェアは運転手も客も嫌がるので厳しさは増すかもしれません。
日本はすごい!
新型肺炎のニュースを見ていてずっと気になっていたことがあります。安倍首相が会議をしているシーンが報道でしばしば出てくるのですが、あんなにたくさんの人が集まる会議を首相自らやれる状況に欧米のシリアスさと雲泥の差を感じるのです。こちらではあり得ないシーンです。そして春休みを控え、一部遊園地は制約があるものの再開し始めました。学校の休校延期もしないそうです。
これは国内のコントロールが他国に比べてはるかに良好である何よりの証なのです。世界一かもしれません。エアカナダが世界100カ所以上飛ばす定期航路を6カ所に絞りました。その残った1つがバンクーバー・成田線。想像するに日本の状況がよいこと、成田を基点にアジア各方面に乗り換えられるメリットがあるからなのでしょう。
明らかに日本と欧米では温度差があります。欧米人は見えない事態に異様におののく傾向があり一種の脆弱性が見て取れます。日本では上野の花見客が減ったといってもテレビを通じてみる限り、十分混んでいます。この違いを見ると日本人は客観的に逆境に強いのだと感じるのです。様々な天災と向き合ってきた国民だけに気丈なところもあります。外から見ると困難に立ち向かう日本人は美しさすら感じるのです。
関電会長に榊原元経団連会長…
原発を巡りトップら幹部が金品まみれになっていた関西電力の立て直しに元経団連会長で東レの会長を務めた榊原定征氏が就任することになりました。私はこのニュースに接し、日本航空の二つのケースが頭をよぎりました。稲盛和夫氏が導いて成功した再生とカネボウ会長であった伊藤淳二氏が会長に就任して辛苦を味わったケースであります。
伊藤淳二氏といっても誰もピンとこないと思います。では山崎豊子氏の「沈まぬ太陽」としたらお分かりになる方も多いでしょう。日本航空が労使問題でくちゃくちゃになっていた1985年に中曽根首相(当時)から白羽の矢が立ったものの労使関係が一層悪化し、改革半ばにして会長退任となった悲劇の方であります。
カネボウと東レ、同じ糸ヘン業界から巨漢で硬直化した組織に立ち向かっていくというシーンがドラマチックかもしれませんが、関西電力と日本航空再建と重なる部分があるのです。関電の今回の問題の真相は表に出せない本当の話があるわけですが、結果として金品と原発というあってはならない関係を作りました。その関電は原発依存型企業であり、再稼働した原発も一番多いこの会社にさて、榊原氏はどうメスを入れるのでしょうか?山崎豊子氏が生きているなら面白い小説を書いてくれたかもしれません。
後記
バンクーバーのビジネス界から悲鳴が上がってきています。特に「父ちゃん母ちゃん」ビジネス、個人経営の飲食系、インバウンドの旅行業界、ホテル関係は崖っぷちであります。すでに事業閉鎖のお知らせも入り始めました。思うことは「せめて資本という体力があれば」であります。もしかすると当地の日系ビジネスはすっかり地図が作り替わるかもしれません。ほかの海外都市も同様でしょう。ここでも戦争です。
ではよい週末を。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2020年3月21日の記事より転載させていただきました。