東京オリンピック延期より「気になること」

東京オリンピックは、予想通り1年の延期が決まりました。

これから選手や関係者の方々にかかるストレスは大変なものだと思います。しかし、4週間を目処に結論を出すとしていたのを、前倒しに決定できたのは、不幸中の幸いだと思います。

今朝のニュースは、東京オリンピック延期で埋め尽くされていますが、私はそれよりも日本のコロナウイルス感染者が増加傾向になっているというニュースを心配しています。3月24日の感染者数は69名と過去最高になりました。

また、東京の感染者数は、169名と北海道を抜いてトップになり、感染経路のわからない感染者が増えているそうです。これは、海外から帰国する日本人の中に感染者が紛れ込んでいるからではないでしょうか。

クラスター感染が大規模に広がるメガクラスター感染が発生すれば、東京も都市封鎖に踏み切る可能性も出てきました。

将来への対応を考える際に大切なことは、決めつけをしないことです。

「コロナは終わった」と楽観的になったり、「日本経済は破綻する」と悲観的になったり。このような断定的なコメントは、歯切れの良いものです。しかし、それはルーレットでチップを全て赤に置くようなギャンブルしているのと同じです。

私はウイルスの専門家ではありませんし、特別な情報源を持つわけでもありません。また、危機感を煽りたいわけでもありません。

このまま事態が収束していくことを強く望んでいますが、一方で最悪を覚悟して行動する必要があると思っているだけです。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2020年3月25日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。