今週のつぶやき:スルガ銀行のシェアハウス事業からの離脱

五輪の延期発表を早めにしてくれたので霧が晴れた感じになりました。新しい開催時期も3週間程度で決めるということですのでそこで全体のタイムフレームが決まり、企業活動、個人の消費活動や休暇計画も枠組みができるでしょう。

私がいつも言っているように「止まない嵐はない」わけで五輪は嵐がやんだ後のスカッと広がる快晴の中で最大の盛り上がりとなることを期待します。そこに向けた経済計画、政治プランは前向きにすべきでしょう。

今は時代のギアが変わる変革期にあります。小池さん、今回のコロナ対策と五輪をうまくやれれば来年の総裁選に出てもいいんじゃないでしょうか?

市場のドタバタ

NY市場は金曜日こそ下げていますが、週間ではダウは約2500ドル上昇、日経平均は2800円余り上げ、19300円台となりました。私は3月14日のブログで3月末までにNYは数千㌦上昇、東京は日経平均2万円回復を予想しました。そうなるかどうかはわかりませんが、多分、非常に近いうちにもう一つのバズーカ、原油減産の発表があるとみています。これがあると株式市場は噴き上がることになります。

写真AC:編集部

原油減産を巡っては専門家や業界の方もバレルあたり20ドルそこそこの価格は時代錯誤とコメントしてます。それよりも需要が激減する中、供給を増やしているので原油を貯蔵するところがなくなりつつあるのが現状です。あまり無理をすると数週間原油の新規供給停止という荒業すらあり得るわけで余計に混乱をきたすことになります。

新型肺炎で苦しんでいるのになぜ株価はなぜ水準修正で上昇するのか、という質問にきちんと答えられる人は少ないかもしれません。プログラム売買が売られ過ぎを修正をしている、日銀などが買い支えている…などもありますが、私はもう一つに上場している企業の資本の厚みもあると考えています。結局、会社に現金があるから半年や1年ぐらいは耐えられるのです。あのクルーズ船の会社ですら6-9カ月は耐えられるほど現金があります。ならば日本の会社のお財布はかなり分厚い点が再度フォーカスされてもよいのではないかと思います。

航空貨物がさばけない!

多くの民間航空会社は国際線を中心に運航を限りなく絞り込んでいます。客がいないし、人の往来を各国政府が制限しているからであります。しかし、なぜもっと工夫をしないのかと思うことがあります。航空貨物です。かなり前ですが、貨物便のような飛行機に若干の客席があり、激安価格で飛べるという話がありました。今もあるのかどうかは知りません。が、ある意味、アイディアとしては非常に優れていると思うのです。

※画像はイメージです(Wikipedia:編集部)

飛行機は人だけではなく、貨物需要があるのだからもっと貨物を運ぶ工夫ができないものかと思います。勿論、航空機の改造は必要になるのですが、フレキシブルな対応ができるようにするのは企業の知恵なのではないでしょうか?

私は事業の関係で国際物流も目くばせしなくてはいけません。ところが今、飛行機が飛ばないので通常旅客機に積み込んでいた航空貨物がパンクしており、運賃も1.5-2倍に跳ね上がっています。見積すらできず、いつ運べるかもわからないという状況です。こんなばかばかしい話はありません。これではいくら物流をしても運賃高騰分を吸収できなくなるのです。非常に頭が痛いです。

スルガ銀行のシェアハウス事業からの離脱

ある意味よく思い切ったと思います。257人の不正融資に絡むシェアハウス所有者との問題解決に「物納」方式を取り入れたことであります。これは正解です。報道から察する仕組みはスルガ銀行が債権買取会社(サービサーか投資会社のどちらか)に当該回収債権を売却、債権回収会社は257人のシェアハウス所有者から不動産を譲り受け、借金を帳消しにするというものです。この仕組みは北米では一般的なので驚きもしませんし、日本でも個別では行われてきていますが、日本でこれだけの規模でよく合意にこぎつけたと思います。新生スルガ、苦渋の選択だったのでしょう。

Wikipedia:編集部

債権回収会社は債権の種類にもよりますが、額面債権の半分とか、場合によっては1割ぐらいで買い取るものもあります。つまり、1億円の債権があれば5千万円とか1千万円という金額で売買するのです。売る方は債権回収の手間が省け、損失が確定するメリットがあります。

一方、債権回収会社は極めて安い金額で債権を購入できるのでハイリスクハイリターンになります。この会社が誰なのかわかりませんが、257件の不動産となると潜在的に莫大な利益をもたらすことになるでしょう。

私も詳細は言えませんが、債権回収会社と現在ある作業を進めています。思惑通りいけば損失なしの債権回収となりますが、そこで見たのは債権回収会社の「独眼力」です。差し押さえ対象のモノ次第で債権回収会社の姿勢は前向きにも後ろ向きにもなります。私も色々な会社とお付き合いしてきましたがこんな商売もあるのだと改めて知った次第です。ニッチすぎて誰も入り込めない、だけどそこには大きな利益が転がり込む仕組みが存在しているのです。ある意味、恐ろしいです。

後記

東京周辺はどんな週末を迎えるのでしょうか?お盆の時のような静けさになるのでしょうか?案外、人はソロッと出歩くような気がしてなりません。私どもが入居するバンクーバーの雑居ビルは今日から入館カード所有者のみ建物に入れ、それ以外の人のアクセスは厳しく制限されます。ただ、それ以前にそもそも誰も会社に来ていない状態です。他人の心配をしても仕方がないのですが、バックログとなっている仕事、皆さん、どうやってこなす気なんでしょうか?頭がクラクラします。

ではよい週末をお過ごしください。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2020年3月28日の記事より転載させていただきました。

会社経営者
ブルーツリーマネージメント社 社長 
カナダで不動産ビジネスをして25年、不動産や起業実務を踏まえた上で世界の中の日本を考え、書き綴っています。ブログは365日切れ目なく経済、マネー、社会、政治など様々なトピックをズバッと斬っています。分かりやすいブログを目指しています。