あまりにも普通のニュースが少ない中、前田道路と前田建設のTOBバトルに決着がついた報道に目が留まりました。筆頭株主である前田建設のTOBへの応募多数で成立、51%以上の前田道路の株式を支配することになりました。予想通りです。前田道路の経営姿勢はもう無茶苦茶。ホワイトナイトが誰も現れなかったという意味は会社の金をばら撒いてでもTOBを阻止しようとする経営陣と悪魔のささやきをした某銀行の悪だくみ以外の何物でもありません。
では今週のつぶやきです。
カオスは止まる
昨日のブログのタイトルは「カオスを止めよ」でありました。実は私は今回の新型肺炎に伴う株価の崩落に対してある予想を立てていました。最後にアメリカで大激震が起きてそこからいったん回復に向かうと。理由は新型肺炎が地球を一周廻ったからであります。こんな発想する人は世界に一人もいないと思いますが、世界で最も経済的に影響力があるアメリカがどのようにそれを受け止め、トランプ大統領がどのように発言するかが第一ラウンドの最後の衝撃になるとみていました。国家非常事態宣言は非常に良かったと思います。
President @realDonaldTrump is officially declaring a National Emergency and ordering every state to set up emergency operations centers, effective immediately. pic.twitter.com/dkdaJVsOVk
— The White House 45 Archived (@WhiteHouse45) March 13, 2020
カオスは一旦止まるとみています。来週から世界の中央銀行、政府がどんどん対策を打ち出します。つまり、復興させる計画が出てくるはずでそのたびに株価を刺激し、3月末に向けてダウで数千㌦上昇、日経平均も2万円回復を予想しています。(すでに今日2000㌦上げました。)
今、人々は悪い事ばかりにとらわれています。昨日も東京と電話会議をしていた際「いまだにドラッグストアの前に人が並んでいて店から罵声が聞こえる」と言っていました。変な話ですが、ドラッグストアの前の行列の長さと株価は反比例します。行列が短くなればなるほど株価は回復する、というものです。こんなこと言う人も多分、世の中、私以外にはいないと思いますが、でもそんなものです。
ではオリンピックはあるのか?
延期、中止、無観客、予定通り実施という選択肢ありきという発想がそもそも思考の間違いだと思います。この大会を皆で心地よく迎え、十分盛り上げる準備は整っているのか、世界はその気になっているのか、何かあった時の対応はとれるのか、を先に考えるべきです。そうみるとドラスティックな状況の変化がない限り、オリンピックは延期が妥当だと思います。経済的影響を言うなら、おいしいものを今食べるのか、もう少し残しておいてあとで食べるのかという問題で、考え方ひとつです。経済効果を最大限に引き出したいなら1年延期がベストだと思います。
1年延期という選択肢があるのか、これはIOCの決めごとです。ルール上はあり得ません。ですが、今回は特例中の特例としない限り、今後のオリンピック誘致、ひいてはその存在感が叩かれることになりIOCの立場が厳しくなります。
今回の東京開催についてはIOCはWHOの判断を重視するとしています。WHOが世界レベルで終息に向かっているといえるのはまだ先でしょう。一方、最終決定は5月なんかじゃ間に合いません。早ければ今月中のIOCの会議でその俎上に上げるべきでしょう。
政府関係者と小池都知事はそもそも中止という選択肢はない、と言っています。小池さんはいつもそういう言い方をするのですが、途中でぱたっと変える傾向があります。選択肢がないという閣僚や政府要人の発言も「上から発言を止められている」からでしょう。日本ほど忖度して情報統制をすることが行き届いている国はありません。しかし、ある時突然、180度転換せよ、と言われるのとどちらがよいのかは考えるべき時に来たと思います。
正直な女性議員たち
今週、3人の女性議員が話題になりました。立民の衆議院議員、山尾志桜里氏がコロナ特措法で造反、同じく立民で参議院の石垣のり子氏は採決直前に退席しました。森法務大臣は「東日本大震災の時に検察官は最初に逃げた」と発言、撤回陳謝に追い込まれました。
これをしょうがないと片づけるのか、脳内に「自分の信念」を持ち続け党内政治に負けない議員としての「自覚」を見せたのか、はたまた、行動を共にできず、やりにくい相手と取るのか、関係者によって反応は全く違ってくるかと思います。私は海外に長い中で以前から気が付いていることは海外では議員が党内政治を嫌い、有権者も右翼、左翼、保守、革新という発想ではなく、案件ごとに考えるという流れが強く出てきていることでしょう。
つまり、一般に言う中道〇〇とか右派左派による政治や政党の分け方は時代の流れとしてはかなり遅れているのであります。個人的にはアメリカの政治が一番遅延していると考えています。日本は「国民コロコロ党」なので思想など関係なしに国民の望むことをやってくれようとしています。日本の野党は崩壊状態なのですからいっそのこと無政党無所属による政権運営を考えてもよいのではないかと思います。まずはどこかの地方議会でやってみたら一気に火が付くはずです。
後記
皆さん、すっかり春めいてきたのに外に出られないフラストレーションを抱えていると思います。いや、外には出られるけれど皆と楽しいことができないという不満感だと思います。私はハイキングにでも行こうかと思っています。サイクリングするのもアリ。食事はカナダのレストランは高くてまずいので普段買わない食材でも買って家で旨いものを作る、そしていつもより高めのワインを開けて自衛策に勤しみます。桜も咲いています。春はやっぱりウキウキするものですよね。
ではよい週末をお過ごしください。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2020年3月14日の記事より転載させていただきました。