「イタリアからコロナ逆上陸なら桁違いの強敵か?」のなかで、日本人はイタリアやスペインの医療体制が劣悪だからああなったと誤解しているが、実はイタリアの平均寿命はドイツより2歳以上も長いというようなことを書いた。
普通に考えて平均寿命が長い国の医療体制が、短い国のそれより低いなどありえないことだ。そういうと、気候がどうだとかいう人がいるが、たとえば、日本国内の県別の平均寿命を見てもいかなる相関性もない。
男性では上位は滋賀・長野・京都・奈良・神奈川と特段の傾向はなく、下位は青森、秋田、岩手と寒冷地が並ぶがそのあとは一転して和歌山、鹿児島と温暖地が続く。
食生活では、上位に肉の消費量が多いところが多く、下位には青森8位、秋田3位、岩手9位と魚の消費量が多いところが多いなど、日本食は健康に良いと思っている人の期待を裏切るだけだ。
日本、イタリア、フランス、カナダ、イギリス、ドイツ、アメリカの順で、イタリアに次ぐ新型コロナの感染地スペインはイタリアと日本の中間で2位相当だ。しかも、イタリアとドイツの差はむしろ広がっているのである。1990年にはイタリアとドイツの差は1.8歳だったが、2017年には2.3歳にひろがっている。
さらに、1950年代前半の数字を見ると、カナダ、イギリス、アメリカ、ドイツ、イタリア、フランス、日本であった。このとき、ドイツは日本より3.7歳、イタリアより1歳長かった。
現状でいえることは、日本、イタリア、スペインは医療に資源を傾斜しすぎて、財政赤字は膨れあがり、経済成長も力がないのである。それがゆえに、イタリアでは医療機関の整理などが進んでいるのは事実だが、だからといって、ドイツより全体的に低レベルになったわけではない?
ただ、私もよく分からないのは、なぜ、ドイツで人工呼吸器の台数が多いかである。日本は終末医療に異常に資源を割いていること間違いないので、さもありなんだ。新型ウイルスにはその無駄が余裕につながっているのだが、ドイツでどうしてそうなのかは謎だ。
ご存じの方がおられたら教えてほしいものだ。