日本で一番優秀な大学はどこ?と聞いたら、日本人のほぼ100%の人が東京大学と答えるのではないでしょうか。
ところが先日、東大は3位で、1位は東北大学という結果が発表されました。
これは世界的にも権威があるイギリスの教育専門誌タイムズ・ハイヤー・エデュケーションが発表した日本版ランキングです。
1位には東北大学、2位は京都大学で3位が東京大学、そして以下10位までは国公立大学が占めています。
1位 東北大学
2位 京都大学
3位 東京大学
3位 東京工業大学
5位 九州大学
6位 北海道大学
7位 名古屋大学
8位 大阪大学
9位 筑波大学
10位 国際教養大学
11位で初めて私立トップの国際基督教大学がランクイン。13位に早稲田大学、14位に慶應義塾大と、20位までの75%が国公立大学です。
11位 国際基督教大学
12位 広島大学
13位 早稲田大学
14位 慶應義塾大学
15位 神戸大学
16位 一橋大学
17位 長岡技術科学大学
18位 金沢大学
18位 東京農工大学
20位 上智大学
ちなみに、先ほど日本版と書きましたが、この日本版はベネッセグループが協力をして調査され、教育力に重点を置いた評価になっています。例えば、学生一人に対して教員が何人いるか、学生に調査して授業の充実などがどうなっているかとか、企業に調査して卒業生の評価はどうなっているかなど、日本の教育事情により即した形で大学の魅力や特性が表れるように、大学の「教育力」を測る調査になっています。
日本版がある以上、世界版も当然あります。最新の世界版は昨年9月に発表されており、世界版では日本の大学の1位は東京大学になっており、2位は京都大学、3位が東北大学と続きます。しかし、これは日本の大学の中での1位、2位、3位です。
日本の大学としては1位の東京大学が世界版のランキングでは36位、京都大学は65位、東北大学にいたっては251―300位です。ちなみに、世界版の1位はイギリスのオックスフォード大学、2位はアメリカのカリフォルニア工科大学、3位はケンブリッジ大学となっています。
世界版でのランキング順位
1位 オクスフォード大学
2位 カリフォルニア大学
3位 ケンブリッジ大学
4位 スタンフォード大学
5位 マサチューセッツ工科大学
6位 プリンストン大学
7位 ハーバード大学
8位 イェール大学
9位 シカゴ大学
10位 インペリアル・カレッジ・ロンドン
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36位 東京大学
65位 京都大学
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251−300位 東北大学
世界版でベスト100に入っている日本の大学は、東京大学と京都大学の2大学のみで、中国は3大学、韓国は2大学です。さらにこれをベスト200で見てみると、日本はやはり東大と京大のの2大学のみですけれども、中国は7大学、韓国は6大学あります。ベスト200になると、もちろんイギリスやアメリカの大学はもう数、数えきれずランクインしており、ヨーロッパやオーストラリアの大学などがひしめいています。この世界版日本版と違い教育力、研究力、研究の影響力などを評価した順位となっています。
もちろん我々日本人にとっては日本国内でのレベルが重要ですが、世界の中でみると日本の大学レベルは低いということになります。世界で日本の大学が評価されていないということは、海外から留学生が来ないということにもなりますし、日本の大卒が世界で活躍をしていくということには不利なわけです。
はっきり言いましょう。
日本に来ている留学生は、欧米の大学に行けなかった人とか日本マニアという人がほとんどです。
国際社会で日本がどう評価されているかということは当然、我々国民の利益・不利益に繋がってしまいますので大学の評価というのは大事なんですね。
さて、いずれにしても日本一の大学は東北大学です。クイズ番組“東大王”“東北大王”に変えましょう。
編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2020年4月1日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。