大好きなお店が無くならないためにやってみたこと

私の周りの人たちを見ている限り、今回のコロナショックで直接的な打撃が大きい業界は、宿泊業と飲食店です。

私も、宿泊事業(民泊)と飲食店事業(SHINOBY’S BAR 銀座(写真))を経営しておりますが、今月以降さらに大きな打撃を覚悟しています。

東京には、これからもずっと通っていきたい大好きなお店がたくさんあります。しかし、このまま自粛要請だけで、資金援助も無けれは、更に来店客が減少し、売り上げが立たなくなり、閉店せざるを得ないところも出てきます。

東京の最大の魅力であるリーズナブルでホスピタリティー溢れる飲食店の未来は、これから数カ月の各店舗の資金繰りにかかっているのです。

クラウドファンデインクの仕組みを使って、必要な資金をサポートする方法も提案されていますが、コストもかかりますし、お金が届くまでのタイムラグがどうしても発生してしまいます

そんな仕組みを使わなくても、サポートできる方法はあります。自分で好きなお店に「先払い」しておけば良いのです。月末にまとめて払う「ツケ払い」の逆です。

例えば、お店の会計が1万円だったら、10万円を決済してもらい、差額の9万円をデポジットとして預かってもらう。そしてコロナ問題が落ち着いたら、利用料として使わせてもらう。

東京でも感染者数の増加ペースが上昇しており、飲食店に出かけること自体、感染リスクがあって人に迷惑をかける可能性があり、批判がある事もわかっています。

しかし、今までお世話になってきたお店が、もしなくなってしまったら・・・。そんなことを考えると、我慢できませんでした。お店の滞在時間を短くし、いわゆる3密状態を避けて、六本木麻布十番、そして銀座に、タクシーに乗って、一人でささっと出かけてきました。

飲食店に出かけるのは良くないと言うなら、お店のオーナーに連絡して、デポジットとして振込したいと提案してみれば良いでしょう。顔見知りであれば、変な詐欺と間違えられることもありません。

私の前払いくらいでは、お店の経営状態を変えるほどの力はないかもしれません。しかし、お店の資金繰りにほんの少しでも貢献でき、そのお金を使うために将来再訪する。そんな日が近い将来やってくると信じています。

※追記:フェイスブックのコメント欄で、老舗の鰻屋さんがこんな前払いと応援の仕組みをWebで募集していると教えてもらいました。飲食店の方の参考になれば幸いです。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2020年4月1日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。