緊急事態が宣言され新型コロナウイルス対策は新たな局面を迎えています。わが国は、国民の自主性を重んじる『日本流』で危機を乗り越えようとしています。こうしたやり方でコロナを乗り越えた国はないでしょう。
2週間後に感染者数の増加がピークアウトを迎え、1ヶ月で緊急事態を解除できれば素晴らしいことです。国民の皆さんと結束して、その実現を目指していきたいと思います。
1か月後にわが国がどういう姿になっているか。ここからの取り組み次第で、道は大きく分かれます。国家的な危機にあって、私はどんな小さなことであっても政治家として役割を全うしたいと思います。
緊急事態を乗り越えるために
7都府県に出された緊急事態は強制力を伴うものではありません。外出抑制は要請に留まります。例外は医療施設の整備について知事に強制力が付与されることです。今、最も必要なのは新型コロナウイルスとの戦いの最前線に立つ医療関係者を守ることです。医療崩壊を止めるために「密集・密接・密閉」を避け、手洗いを徹底するなどの協力をお願い致します。
「家で過ごそう」
緊急事態宣言における会見では、安倍総理、小池都知事、吉村府知事も同じことを呼び掛けました。問題はこれを自分事にできるかどうかです。高齢の両親にウイルスを移してしまい、親が人工呼吸器をつけている姿を想像してみて下さい。医療関係者は最前線で戦っています。自分が外に出ることで彼らを追い詰めてしまいます。一人一人が我慢すべきところは我慢し、可能な限り外出を控えることで感染を食い止めていきましょう。
国民一人一人が情報を見極める目を持つことも重要です。危機においては専門家と称する人やメディアの中から、様々な発信を行う人が出てきます。見極めのポイントは、その発信が事態を収めるためのものなのか、その他の目的(専ら政権批判、個人的な虚栄心など)によるものかということです。
3.11の直後、長崎大学から福島医大に乗り込み放射線被爆問題に最前線で向き合った山下俊一先生は、テレビやネットで袋叩きに合いました。新型コロナでも既に様々な陰謀論が出ています。同じ過ちを絶対に繰り返してはなりません。国民が分断ではなく結束して、国難を乗り越えていきたいと思います。今、問われているのは日本社会の強さです。
立法府の役割
思い起こせば、阪神淡路大震災は村山政権、東日本大震災は民主党政権で発生しました。これらに匹敵する、もしくはそれを上回る『緊急事態』が安倍政権で訪れました。保守政党たる自民党の本質が問われる局面です。同時に危機管理においては国会の役割も問われています。
新型コロナウイルス対応にあたっている厚労省を中心に官僚の負担が過重になっています。感染症対策や経済対策に支障をきたす事態を回避するために、私は同僚議員に次のことを訴えてきました。官僚は国会議員の部下ではありません。
- コロナの要望・問合せは集約する
- 官僚への人格攻撃は厳に慎む
- 質問通告を早め、質問主意書は厳選する
- 調べものは基本的に国会の機関であるである国会図書館や調査室を利用する
- 官僚レクが必要な時は基本的に電話で行い、直接のレクは厳選する
政治の役割は官僚では成し得ないことを実行していくことです。危機管理の要諦は最悪の最悪を想定することです。感染爆発の可能性が消えたわけではありません。杞憂で終わればそれでいいと思います。時限的に外出抑制を強制できる法整備の可能性も、立法府は引き続き探っていくべきだと思います。
コロナ恐慌を乗り越える
観光関連、飲食業から端を発した景気の落ち込みは製造業、建設業まで広がりを見せています。私の周りにも厳しい環境に陥った方が数多くいます。政府は108兆円規模の緊急経済対策を打ち出しました。まずはこの対策が国民に行き届くよう努力します。
生活困窮世帯には30万円の生活支援臨時給付金が導入されます。「個人住民税均等割課税水準」の分かりにくさ、対象世帯の狭さ、そして市町村が行う支給事務の煩雑さなどの問題はありますが、できる限り早く厳しい環境にある方々に届くようサポートしていきます。
窮地にあって仕事を守ろうと奮闘されている皆さんを支えていきます。中小企業を支援する制度としては、雇用を守る雇用調整助成金の大幅な拡充、新たな給付金などが導入されます。経営相談体制も強化されることから、個人事業主を含め必要な支援がいきわたるよう努力します。
文化芸術イベントが中止される中で私自身が必要性を強く主張し、緊急経済対策に「文化の灯を守り抜く」という言葉が入りました。文化芸術イベントで払い戻しされなかった金額の寄付金控除という新たな仕組みが導入されます。また、1兆円の「新型コロナウイルス感染症対応地方創生交付金」は、自治体の判断で文化芸術にも使えることになりました。
いずれの政策においても重要なのはスピードです。経済対策で足らざるところは、皆さんの声に耳を傾けて更なる対応に力を尽くし、国民の皆さんの命と生活を支える責任を全うしていきます。
皆さんの声を大切に
新型コロナウイルス発生以降、地元の旅館や企業、学童保育や医療・介護の現場の話を聞き、政策に反映する努力をしてきました。
地元の静岡県内では東京と比較すると感染は限られていますが、地理的な条件を考えると感染者が急増する危険性があります。国民に移動の自粛を要請している国会議員が、地元の皆さんと直接接触するのは控えるべきだと考えます。そこで、しばらくは電話やメール、SNSなどを通じて皆さんの声を聞かせていただきたいと思っています。
私からの情報発信についてはより積極的に行っていきます。これを機会に、YouTubeの『細野豪志チャンネル』、twitterなどへの登録をお待ちしております。
編集部より:この記事は、衆議院議員の細野豪志氏(静岡5区、無所属)のオフィシャルブログ 2020年4月8日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は細野豪志オフィシャルブログをご覧ください。