WEB飲み会の意義 ~ WEBディスタンス0m

福田 峰之

人との接触8割減。8割おじさんの言葉を信じ、人の命、経済再生を大切に考えるからこそ、僕の家族は全員で実行中です。医療従事者でもなく、政策をつくる、執行する役でもない僕らが今、何を考え、行動すれば良いのか、ただじっとしているだけ、それではいけないと思うのです。「今出来ることを出来るだけやってみる」ということではないでしょうか。社会は、人との会話による直接的なコミュニケーションが減る中で、会議も飲み会もWEBで行う機会が増えています。

WEB会議もWEB飲み会も、慣れてくるとそれぞれ直接的なコミュニケーションとは異なる、新たなコミュニケーションとして成り立つことがわかってきました。「リアル、WEBのどちらが良いか」という論ではなく、それぞれ特徴があって、アフターコロナはその特徴を使い分けて積極的な意味で両立すると思うのです。僕は、緊急事態宣言が発令され、外出自粛要請が行われて以降、夜はWEB飲み会を開催しています。

WEB飲み会については、医療従事者が大変な時に、感染拡大を抑制する人たちが昼夜苦労している時に、新型コロナウイルスに感染して大変な思いをしている人がいる時に・・・と批判的な思いを持つ人もいるようです。なら、この時期、他の人とのコミュニケーションをとらずに、一人で思い悩むことを続けることが、新型コロナウイルスに感染し、亡くなられた方々に対して、ご冥福をお祈りすることになるのでしょうか。

直接的に感染症対策に関わっていない僕らは、アフターコロナはどんな社会であるべきなのか、その為には何をしなくてはいけないのか、優先順位はどうするのか、その中で自らが果たせる役割は何なのか・・・、今生じている社会状況を見て、感じて、そこから類推される社会課題を見出し、それを解決する手法を考え、調査すべきと思うのです。直接的な活動は自粛されていますが、調査したり、考えたりすることに制限はありません。

WEB飲み会は、一人一人が考えたアフターコロナの日本の在り方を異なる業種であったり、異なる世代であったり、異なる地域に住む人であったりと、議論する場となっているのです。

例えば、僕が開催した(する)WEB飲み会のテーマは「IRと街づくり」、「子供の貧困」、「安全保障と経済」、「オーダーメイドの働き方」、「電力改革と再エネ」、「水素エネルギー社会」、「大学改革」、「デジタル&オンライン教育」、「デジタル社会と社会システム」、「マイナンバー活用社会」、「求められる首長・議員の資質」です。

参加者と飲み過ぎになるくらい語り合っています。接触自粛要請が続く限り、更にテーマを増やして続ける予定です。リアルなソーシャル・デイスタンスが2メートルなら、WEBデイスタンスは0メートル。参加者が、北海道であろうが、九州であろうが、ハノイであろうが、WEB飲み会での距離は0メートル。どんなに遠くにいても、顔を見ながらの飲み会が可能なのです。お酒が入ることによって、言えることも正直あるはずです。

通常時にはもちろんのこと、例え緊急事態になろうが、右往左往することなく社会が機能する、アフターコロナの新たな社会を見せることが出来なければ、新型コロナウイルスで亡くなられた方々に申し訳ないと思うのです。新たな日本を見せる事が供養になると思っています。何もしないのではなく、今出来ることを今する。僕はその為にも「WEB飲み会」を開催し、多くの英知を集めたいと思います。


編集部より:この記事は多摩大学ルール形成戦略研究所客員教授、福田峰之氏(元内閣府副大臣、前衆議院議員)のブログ 2020年4月17日の記事を転載しました。オリジナル記事をお読みになりたい方は、福田峰之オフィシャルブログ「政治の時間」をご覧ください。