新型コロナ肺炎のパンデミックで、今あらためてマスクの効用が見直されている。マスクで顔を隠すと強盗と間違われて撃たれる、などといわれる銃社会米国ですら、ついにトランプ大統領がマスク着用を呼び掛けた(自分はしないと思う、との注釈は彼一流の強がりか)。
中国が一月から、自国での蔓延や他の情報を隠蔽しつつ世界中で数十億枚のマスクを買い漁ってきたとの話が流布されている。豪州などでの確たる証拠があり、米国政府高官も口にしているので、まんざら怪情報や陰謀論の類と片付けられることでもなさそうだ。
日本では世帯当たり2枚の布マスク配布が始まった。466億円掛かるらしい。製作費が1枚200円余りらしいので5000万世帯として2百数十億円、残りの2百数十億円は郵送費か。日本郵便には増員に伴う増し分人件費などを除く通常コストくらいはぜひ負けてもらいたい。
早速、変色や毛髪混入などの品質問題や小さいだの洗うと縮むなどの街の声が報じられる。異物混入などはあってはならないが、洗うと縮むのは当たり前。口と鼻が覆えれば用は済むのだからつべこべいうな、と個人的には思うが、苦情をいう言論の自由が日本にはある。
そんな中、未だ感染者が420人、死者も6人(19日時点)と抑え込み優等生の台湾から16日、マスク200万枚が日本の医療者向に寄付された。アベノマスクも医療向保全策、実にありがたい。台湾のマスク生産は1月の日産188万枚が直近は同1500万枚になった。
メディアにも台湾のコロナ対策を称賛する記事が溢れるが、本稿では台湾人の知人二人から届いたマスクに関する話題をご紹介する。読めば瞭然だが、一人は野党国民党支持、他は無党派の方だ。
前者の方のは「台灣最強男子的拳擊日記」なる蔡総統政府礼賛ブログへのコメント。
ブログは蔡総統と彼女が抜擢したIQ180の天才大臣、唐鳳(オードリー・タン)によるマスク管理やその他の方策を絶賛するが、知人は日本語(若干拙いがママ書く)でこうコメントした。
コロナウィルス対応成功した理由、この二人には全く関係ない! 台湾人、元々バイクで通勤通学が多いし、PM2.5酷いから家にマスクを少量在庫の習慣が有り・・・。
IQ180の天才IT大臣唐鳳が開発したAPPの使い方は若者だけ(私NG)。薬局のマスク在庫が分かっても買えないし(すぐ売り切れ)、薬局のマスク販売も色んなルールが有り、例えば・・・、
- 一つの薬局は600人分限定
- IDで購買管理されIDカード(健康保険カード番号同じ)の尾数は奇数なら月·水·金、偶数なら火·木·土
- 1人健康保険カード2枚持ち購買限制
- 朝9時販売番号引き→9時半販売開始;19時販売番号引き→19時半販売開始
- 最初は1人1回(3枚)/週購買、先週(*4/6)からは1人1回(9枚)/2週間.
- 元々8~1.5元/枚→5元/枚.
- 共産党の国みたいに烈日颳風大雨関係せず必ず30分~1.5時間長列。すぐ売り切れ2~3軒回らないと買えない時よく有る
- ほとんど爺ちゃん婆ちゃんが息子や娘や孫達のために健康保険カード何枚を預かって毎日薬局で並んでる
- 蔡政府が台湾国内のマスク工場全面管理したのに毎日産量足りてもマスク買えない
- 外国にマスク援助は反対しないけど、何で炊飯器でマスクを蒸しらなきいかん?
爺ちゃん婆ちゃんが毎日並んでいる辺り、さすが半世紀にわたって日本統治下にあった台湾、日本の風景によく似ている。台湾の人口は2300万なので、現状はこうでも日産1500万枚なら直に充足してくるのではないか。しばらくしたらまたこの知人に状況を聞いてみたい。
もう一つは別の知人に届いた拡散希望情報。日本語文と英文が併記されている。こちらも原文のまま転載する。
<拡散希望> 日本の皆さん、もし”Made In Taiwan”のマークをつけるマスクを見つけたったら絶対に買わないてください!中国から何の認証もないの偽物です!
現時点、台湾の法律より、台湾製のマスクは全て寄付品です、6月末まで輸出制限があって、自由に販売できません。しかもその認証書はそもそも中国の深セン市(Shenzhen Global Test)発行の偽物です、決して台湾政府認証された合格品ではないです。使用しなら危険があります、お気をつけください!
<Please share if you are looking for surgical masks online> My dear friends over the world, if anyone wants to sell the surgical masks to you with “Made In Taiwan” mark on it, DON’T BUY IT! Those are fake productions without any certification.
Per Taiwan current law, masks made in Taiwan and certified by Taiwan government can only be exported as donations for free, trade is prohibited. Moreover, the attached certificate with “Shenzhen Global Test” is from a city in China, which is not possible to be a proof of masks made in Taiwan.
For your health, don’t buy it and share this message to your friends, be aware of these.
台湾がマスクの輸出制限を掛けていることは周知の事実なので、この拡散情報にいう「Made In Taiwan」のマスクが怪しいことは間違いなかろう。が、深圳製かどうかは定かでない。
たかがマスク、されどマスク。平素は気にも留めないことをいろいろと気付かせるコロナ禍でもある。