米政府の研究機関による「太陽光と高湿度で新型コロナウイルスは不活化する」とした研究結果が発表され、ネット上では「生まれて初めて梅雨がきて欲しい!」などと日本の梅雨、夏に期待する声が相次ぐ一方、「(気候の暑い)東南アジアの状況をどう説明するのか?」といった疑問も寄せられている。
AFP通信(25日付)によると、米国土安全保障省長官の科学技術顧問ウィリアム・ブライアン氏が23日、国立研究所の実験結果として、「太陽光によって新型コロナウイルスが急速に不活性化すること」を発表。集まった記者団に対し、
ステンレス製品などの無孔質の表面上にあるウイルス量の半減期は、気温21~24度、湿度80%の暗所で6時間だったが、太陽光が当たると半減期は2分にまで縮まった。
また新型ウイルスが空気中に漂う状態になった場合の半減期は、温度21~24度、湿度20%の暗所で1時間だったが、太陽光が当たると1分半にまで減少した。
などの実験結果をまとめたスライドを示したという。
この記事がYahoo!ニュースに配信され、またツイッター上に流れると、ネット上には
昔から言われているが湿度、高温にはウイルス弱い。
日本の梅雨、夏はあきらかにウイルスにとっては悪条件だな。
生まれて初めて梅雨がきて欲しいぞ!!!w
ますますインフルエンザと同じようになりつつあるな…
などと湿度や気温の高い日本の梅雨、夏に期待する声が相次いだ。
これに対し、否定的な意見もあり、
以前フランスの学者が「新型コロナウイルスが60°Cで1時間加熱しても生き残り、複製が可能であることを確認」ということもあるので、うのみするのはちょっとわからないよ
と、フランス研究チームの論文に関するWoW!Koreaの記事(Yahoo!ニュースにも配信)に触れつつ慎重さを求める声や、
40度こえるタイでも感染してますけど
そういう声は当初からあったけど、東南アジアでの感染者数を見てると、そこまで楽観視は出来ない気がする。
などと、猛暑の東南アジアでの感染拡大が「太陽光・高湿度で新型コロナは不活化する」仮説の反例になっている可能性を指摘する声が聞かれた。
著名人では、GMOインターネットグループ代表の熊谷正寿氏が、「梅雨、夏に期待。ただ、現在アジアでも猛威を奮っていることを、どう説明するのか?疑問はある」とやはり期待と疑問の両方を示していた。
【メモ・湿度80%、半減期は6時間、加えて太陽光で2分で消滅】
梅雨、夏に期待。ただ、現在アジアでも猛威を奮っていることを、どう説明するのか?疑問はある。
新型コロナウイルス、太陽光で急速に不活性化 米研究 https://t.co/FtUy99dcgW @afpbbcomさんから
— 熊谷正寿【GMO】 (@m_kumagai) April 24, 2020
実際、4月20日には、フランスでは、新型コロナウイルスが60°Cで1時間加熱しても生き残り、複製が可能であることを確認したとする報道もあった(参照:WOW!Korea)。京都大学 ウイルス・再生医科学研究所の宮沢孝幸准教授が、Yahooニュースに配信されたこの記事について、「これはひどいニュース!」とコメントしていた。
なお、25日現在でアジアの国々を感染者数の上位から並べた表は以下のようになっている(参照:ワールドメーター新型コロナ最新情報)。
冒頭のAFP通信の記事は、米国土安全保障省がデータをまだ公開していないことを伝えており、どのように実験が行われたのかなど、今後のさらなる証拠の提示が待たれる。