オリンピックが2021年に開催できる確率は?

コロナウイルスの感染拡大防止のために、スポーツイベントが次々と中止や無観客での開催になっています。

観客の感染拡大もリスクですが、試合に参加する選手の感染リスクも考えなければなりません。

スポーツイベントと言えば、最も注目されるのはオリンピックです。東京オリンピックは2021年夏に1年延期されましたが、果たして1年後であっても開催できるのでしょうか。

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ワクチンの開発によって治療法が確立されていれば、インフルエンザのような扱いになって、感染対策にそれほど神経質にならない状態になるかもしれません。しかし、これから1年程度でワクチンが開発され、世界に行き渡るというのは現実的な想定ではありません。

ウイルスの感染拡大が収束している可能性は高いかもしれませんが、新たに変異したウィルスが登場して、免疫が出来なければ、今と状況はあまり変わらなくなります。

無観客で開催したり、観客数を大幅に減らすことになりますが、そうなると今度はオリンピックの収益が悪化してしまうデメリットが出てきます。

また、開催が決まってもその運営には大きな負荷がかかり、混乱も予想されます。例えば、海外からの渡航者が多数来日することによる感染の再拡大リスクを防止するために、入国手続きが煩雑化する。その結果、長時間の手続きによって、入国する空港が大混乱になったりするかもしれません。

このように考えていくと、1年後に開催するとしても、従来のオリンピックとはかなり異なる開催方法になる可能性が高いと想像します。あるいは、2021年の開催が再延期されたり、最悪の場合は中止という事態も想定しておいた方が良いでしょう。しかし、中止になれば、日本経済への打撃は大きく、政府は何としても開催にこぎつけるための方策を打ち出してくるはずです。

予定通り2021年に開催される可能性は80%程度だと思いますが、通常開催になる可能性は、かなり低いのではないかと予想します。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2020年4月28日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。