ダレノガレ明美さん激怒!AERA.dotの自浄努力に期待

田中 紀子

ダレノガレ明美さんが「AERA.dotに薬物使用の事実があるかのように書かれた」とのことで激怒され、自らの潔白を証明するために毛髪検査を受けた、というニュースが話題となっています。

ダレノガレ明美さん(Wikipedia)

これを読んで、私は「お~!良くやってくれた!」という気持ちでおります。
今まで薬物報道に関して「次の逮捕者は○○」とか、薬物で芸能人が逮捕されると「芋づる式」なんてよく書かれていましたが、通常の捜査方法ならこんなこと有り得ないです。

「東スポが当てた!」なんてSNSで出回ったりもしましたが、これだけ何百人もいる芸能人・著名人の逮捕者を、見ごと何人も的中させたとしたら、それはマトリか警察の情報漏えいがあったと思われますし、実際に何度も逮捕前にそれら機関は情報漏えいという人権侵害を行ってきました。

ASKAさんの不起訴処分となった逮捕劇なんかまさにそうですよね。
事前に情報漏えいがあったから、あれだけのマスコミが詰めかけたわけですから、ホント信用ならないです。

国会でも追及され、今後は改善されるとは思いますが、「薬物問題なら何を言ってもやっても良い」という風潮がマスコミだけでなく、捜査機関にもありました。

今後はこんなこと許されなくなっていくべきだと思っておりますし、そういう意味でダレノガレさんが一石を投じてくれたことは有難いですね。

これが薬物事件でなく、例えば横領とか、暴行とか、窃盗事件なら間違っても推測記事など出しませんよね。薬物ならOKという間違った思い込みをメディアは一新して欲しいです。

そもそも薬物事犯の自己使用者が犯した罪以上に、マスコミがデマで被害者を拡散していることを自覚して欲しいです。

よく芸能人の取り調べの際に「1人以上一緒に使っていた仲間を言え」と迫られるなんてデマが流されますが、これまで逮捕された有名人の方に伺うと「そんなこと一切言われなかった」と皆さん口を揃えて言いますよ。

入念に裏をとられるのは入手ルートだけだそうで、それは考えて見れば当たり前のことですよね。
そんな噂話でいちいち捜査が振り回されていたら、マジでヤバい機関ですよね。

記事取り消しとお詫びを告知する朝日新聞出版のAERA.dot

AERA.dotさんはこれまで薬物事件では、なかなか良い啓発記事を書いて下さっていたので今回の件では実に残念です。特にカンニング竹山さんの記事では、我々依存症関係者が集まった団体「依存症問題の正しい報道を求めるネットワーク」で、「グッドプレス賞」を贈らせて頂いていた位で、今後の自浄努力に期待したいです。竹山さんにも是非この件に関してコラムを書いて欲しいです。

あと、ダレノガレさんが激怒されるのも当然ですが怒りを表現する上で、「さすがに薬物疑惑となるともう一発アウトじゃないですか」とおっしゃっていますが、

ダレノガレ明美、テレビで心境激白…直接謝罪の席で思いの丈を(THE PAGE)

こういう人生がそれで終わりのようなことを必要以上に強調されると、再起に頑張っておられる方々の立つ瀬がなくなりますから、「デマや噂話で、薬物問題に苦しむ人たちの再起の道も閉ざされる」ことも意識下に置いて頂けると有難いです。

先日「関西薬物依存症家族の会」の仲間達が、こういった薬物問題のデマや風評被害を防ぐために動画を作成しました。薬物問題を抱えるご家族の皆さんのなんとか偏見を減らそうという思いがすごく分かりやすく伝わってきますので、この機会に是非ご覧下さい。