スターバックス復活で結局変わらない「新しい生活様式」

スターバックスは5月19日から営業を再開するそうです。ただし、緊急事態宣言が解除されていない東京では、持ち帰りのみの営業で、店内での飲食はまだできないということです。

以前は毎日朝とお昼に利用していたスタバですが、休業してからは、セブンイレブンのコーヒーを自宅のラウンジに持ち帰るというパターンになりました。

スターバックスの付加価値は「サードプレイス(第3の場所)」と呼ばれる空間の提供にあります。家でもない職場でもない、もう1つの場所を快適な雰囲気で得られることに利用者の高い評価があるとされています。

持ち帰りのみの対応だと、場所の提供はありませんから、コーヒーを提供するというコンビニのサービスと差別化できなくなります。

セブンイレブンのコーヒーとスタバのコーヒーは味と香りが全然違うのかもしれません。しかし、セブンならコーヒーは100円程度。スタバはショートサイズでも300円以上しますから、3倍の価格差を感じることができるのでしょうか。

近くのスタバの営業が再開されたら早速行ってみようとは思いますが、果たしてどちらを利用するようになるのか?

そんなことを言っているうちに、スタバの店内利用も出来るようになるでしょう。そうなれば、また以前と同じスタバ生活が始まると思います。

東日本大震災で、原発リスクを恐れ東京から逃げ出したことも、タワマンの高層階の陸の孤島リスクを感じたことも、もうみんな忘れてしまいました。

それと同じように、アフターコロナの「新しい生活様式」も、結局今までとあまり変わり映えのしないものになる気がします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2020年5月19日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。