こんにちは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。
5月21日、ついに大阪・京都・兵庫では緊急事態宣言が解除をされました。一致協力をして第一波の「封じ込め」に成功した府民・県民の皆さまに心より敬意を評します。
そして自粛が解除されて経済活動を再開するにあたり、吉村洋文府知事が「ゼロリスクはない」と明言していることは、これからの日本社会にとって極めて重要なメッセージだと思います。
吉村知事「外出、外食していい」…「気の緩み」とは違う/芸能/デイリースポーツ online
「感染者ゼロを徹底的に目指し続けるなら、今まで通り全員が家に閉じこもって外では一切、活動しない、これをやったら多分ゼロは続けれると思います。でもそれだと経済を失って、そのために失う命もある」と説明。「ゼロリスクはない、っていうことを我々大阪府民が受け入れるべきやと思うんです。(感染が再び広がって)もっと(数字が)あがってきたら、もう1回(自粛)お願いありえます」と府民の協力を呼びかけた。
感染症対策に限らず、とりわけ日本社会では過剰に「ゼロリスク」を求めるあまり、不合理に動かない政策が多数あります。
子宮頸がんワクチンの積極勧奨再開も、福島第一原発の処理水放出も、
「『万が一』があったらどうする!」「(健康被害や副作用の)リスクはゼロではない!」
の大合唱によって、未だにスタック(停滞)したまま問題解決が先送りされている状態です。
しかしその間にも、とりわけ子宮頸がんではむしろ多数の方が命を落としていますし、処理水を無理に保存しておくことでかさむ費用も莫大なものになっています。
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およそ政策というのは、「リスクやコストよりもベネフィットが上回るかどうか」で判断されるべきであって、100%メリットしかないものなどほとんどないはずです。
かつて東京都政では、市場移転問題が発生した際に「安全と安心は違う」という小池都知事の大号令の元、限りなくゼロリスクを求めて移転決断を先延ばしにし、追加対策工事などに巨額を投じました。
その結果や費用対効果はどうだったのかと問われれば、大きなマイナスであったことは否定できない事実だと思います。
そして今回、感染症対策において「ゼロリスク」を求めて経済活動を過度に抑制することは、市場移転問題とは比較にならないほどの経済的ダメージを日本社会・東京都にもたらす可能性があります。
加えて経済のみならず、通学を抑制されている子どもたちの学力や生活環境も危機的な状態です。
小池知事はまた明日にも、西村担当大臣と再び会談をするとの情報も流れています。そして首都圏は一体で動くことが決まり、その中心は間違いなく小池百合子都知事です。
国からの指示を待つのではなく、4月上旬に見せたイニシアチブを発揮し、東京都から具体的な経済活動再開の提案をしてくださることを強く期待し、後押しをして参ります。
それでは、また明日。
編集部より:この記事は、参議院議員、音喜多駿氏(東京選挙区、日本維新の会)のブログ2020年5月21日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。