(古森 義久:産経新聞ワシントン駐在客員特派員、麗澤大学特別教授)
米国ホワイトハウスから世界に向けて、中国語による異例の演説が発信された。新型コロナウイルスの感染拡大を隠蔽した中国政府を非難し、中国国民に民主主義の正しさを強調し、独裁と弾圧の共産党政権を倒すことをも訴えていた。
トランプ政権は中国の習近平政権と正面から敵対する姿勢を鮮明にしているが、この演説は不穏な米中衝突の新時代の幕開けを象徴する動きだといえるだろう。
米国政府の中国に対する考え方を中国語で発信
トランプ政権の国家安全保障会議でアジア政策を統括するマット・ポッティンジャー大統領副補佐官は5月4日、ホワイトハウスの中枢から流暢な中国語で約20分間、演説をした。古い伝統を持つ名門校、バージニア大学のアジア研究所関連の学生の卒業式送辞を兼ねた演説だった。
演説はコロナ対策のためにネット配信の形がとられた。YouTubeのホワイトハウス公式チャネルに掲載されているので、世界中の誰もがこの演説を視聴することができる。英語の字幕もついている。