海洋堂の本社に行ってきた

世界に誇る日本企業「海洋堂」。
ジュラシック・パークやガメラ、アメリカ自然史博物館などと仕事する一方、チョコエッグをヒットさせ、ガチャガチャ展開。
iUとの連携と、代表取締役なのに専務を名乗る宮脇修一さんの超客員教授ご就任をお願いしに伺いました。

本社、大阪府門真市。
世界最古の企業、578年の創業、四天王寺を建てた寺社仏閣の企業「金剛組」が初めて建てた近代建築。
京都の大映が本物の「大魔神」を捨てるというので引き取って、玄関で守護神になってもらっているとか。

2001年、大阪のフルタ製菓との協業「チョコエッグ」が爆発的なヒット。
「それでこのビル建てた」(宮脇専務)。
でも社員40名強、コンパクトな組織のまま、やりたいことだけやり続ける、という精鋭の制作集団です。
先日、創業者の宮脇修会長が「ここ博物館にするからみんな出てけ」と宣言、てんやわんやだそうです。
高知県に「海洋堂ホビー館四万十」、滋賀県長浜市に「海洋堂フィギュアミュージアム黒壁」があり、上海にも開設したが、本社もそうすると。
お宝がわんさかありますから。
でもみんなどこに引っ越すん?
宮脇さんは世界最大のガレージキットのイベント「ワンダーフェスティバル」も主催しています。
ことしは2/9@幕張、日本の誇るオタクの祭典。
無事開催されました。
ヒーロー、怪獣、美少女、ミリタリー、動物、その他もぜんぶ。ポップカルチャーとものづくり。
日本の強みが凝縮。これだけハイレベルな作り手が軒を並べる。海外ではムリ。
これだけ熱いパッションの静かなるファンが買いに来る。
海外ではムリ。
そしてローマで春画の造形を展示するとか。
いや~、そういう「やったらあかん」モノ、日本に逆誘致したいです!
海洋堂には沖縄や京都の国際映画祭にもご協力いただいていまして。
フィギュアを壊して、組み合わせて、新しいフィギュアをつくるワークショップ「こわしてつくろう」。
ディズニーものやマーベルもの、バラバラにしてヘンなものつくる。
「やったらあかん」ワークショップ、やりたい!
(等身大めだか師匠)
社内を歩いたら、伝説の原型師、世界の偉人「ボーメ」さんが、小さな机で色を塗っておられました。
感激です。
かつてボーメという名前はフランス語のBauméと思っていたんですけど、帽子とメガネの帽メのことだと知ったときはほのぼのと驚きました。
ボーメさんとぼくは61年生まれの同い年。
宮脇さん「61年は谷間の年やで」。
「いやぼくが生まれた3月だけでも、江川達也、島田雅彦、いとうせいこう(生年月日同じ)ほか一杯います。と反論。
するとボーメさん「ぼく安倍首相と誕生日が同じ」。
なんだか、いいかんじです。
(このとき色を塗っておられたフィギュア、ワンダーフェスティバルの18禁コーナーに出展されていました。)
あれこれ連携できるよう考えます。
博物館になったらまた伺います。
(望月三起也先生がタミヤ1/35シリーズで作ったジオラマだそうです。)

編集部より:このブログは「中村伊知哉氏のブログ」2020年6月1日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はIchiya Nakamuraをご覧ください