市役所が弱みを見せて、強みに変える中小・スタートアップを募集

niaphotoworks/写真AC

愛知・豊橋市議の長坂です。

豊橋市役所が課題解決にいっしょに取り組むスタートアップを募集しています。
スタートアップ(≒ベンチャー企業)ということですが、創業年数に関わらずOKと市役所に確認しております。

オンライン説明会が、6月19日(金)16時~17時半にあります。
詳細は後述しますが、ぜひお時間いただれればと存じます。

豊橋市役所が掲げている「課題(テーマ)」は、次の4つ。

1.外国人市民にも積極的にまちづくりに参画していただくため、各課がホームページなどで発信している情報を、高精度で自動翻訳できるシステムの開発・検証を行う。(多文化共生・国際課)

2.新型コロナウイルスの影響で家庭での食事が増える中、各家庭で食品ロス発生量の記録をしたり、事業者が食品ロスになってしまいそうな商品の購買機会(購買希望者とのマッチング)を提供したりする食品ロス削減に効果的なツールの開発・検証を行う。(環境政策課)

3.介護認定の申請件数が年々増加しており、訪問調査員の派遣予定を調整する職員の作業負担も増えている。調査の優先度や調査先の場所などを考慮して、最適な調査日程の組合せを提案する予定管理ツールの開発・検証を行う。(長寿介護課)

4.年間 200 万人が訪れる道の駅とよはし内にある時間貸しキッチンスペースの稼働率向上を目指し、事業性と公共性を両立させた新たな活用法の開発・検証を行う。(農業企画課)

私の仕事柄、豊橋市役所には詳しいはずです。
しかし、それぞれの詳細を読むと、まだまだ全然知らないことを実感します。

特に市役所というのは、自らの弱みや至らない点を出さない組織だという認識がありました。
今回、読み進めると、具体的に何に困っているのか、何を解決してほしいのか、がありありと見えました。

その中でも、特に強い印象を抱き、かつ、豊橋市役所だけでなく、他自治体でも同様の実態であろう箇所を抜粋します。

多文化共生のまち豊橋で、外国人市民へのタイムリーな情報提供を実現したい!(前出の1.)

私も試しに自動翻訳の英語版ホームページを見てみると、「本市では~」という文章の「本市」が「Motoichi」と訳されているのを見つけました。こんな訳文を外国人市民が見たら、なんと考えるだろうか、少なくとも自分なら、二度とホームページは見ないだろうと考えました。(略)

市民に対する情報発信はホームページだけではありません。郵便やチラシ、パンフレット、窓口で制度のことを説明するための資料など、各課からの翻訳ニーズは多岐にわたります。2019年度に各課から依頼された翻訳件数は、ポルトガル語、英語、タガログ語の3言語合計で395件。A4用紙に換算すると約800枚分です。

これを4人の通訳で分担して翻訳しています。翻訳だけに専念できるなら負担も大したことはないかもしれません。しかし通訳職員は、市役所に訪れた外国人市民の相談対応にあたりながら、合間の時間に翻訳を行わなければなりません。

こうしたことから、対応できる翻訳にも限界があり、依頼される翻訳の分量が多すぎてやむを得ず翻訳を断念した事例もあります。でも本当はすべての翻訳依頼に対応したいし、依頼は受けていないが翻訳したほうがよい案件も発掘して翻訳し、どんどん外国人市民にも発信していきたいのです。
参照:urban-innovation-japan.com

続いて、
介護保険認定調査の効率UP!訪問スケジュール最適化ツールの開発(前出の33.)

介護保険の認定調査という仕事ご存知ですか?(略)
認定調査では、対象者やそのご家族等と面談し、全国共通の判断基準に従って、74項目の調査を行います。調査員は”ビデオカメラ”と呼ばれたりします。対象者の日頃の生活状況や心身状況についてどのような状況にあり、また、家族やヘルパー、施設の職員など介護者がどのような支援をしているのか、審査委員に的確に伝える役割を担っているためです。認定調査は、介護サービスを利用するための土台となる仕事なのです。(略)

豊橋市役所の調査員は、12名体制で、年間約5,000件の調査を行っています。勤務時間が週31時間の非常勤職員のため、1日の勤務時間は約6時間です。訪問日程の調整後、対象者のところに行き、面談し、調査票を作成しますが、移動に0.5時間、面談に1時間、調査票作成に1.5時間と1件あたり3時間前後要するため、1日2件がやっとの状況です。

そして実は、認定調査に付随する業務の中でも特に負担がかかっていたのが、この日程調整です。2件なら、日程調整も何とかなるのでは?って思いますよね。

調査員は1日の半分は訪問に出掛けているので、訪問の隙間時間を使い日程の連絡をしています。ただ、1日のうち調査に出る時間と帰庁して調査票を作成する時間が被ることが多いため、5人に1台しかない電話を調査員同士で譲り合いながら日程の連絡を行うことになります。

しかし、対象者との連絡がスムーズに取れなかったり、都合が思うように合わないことや、当日キャンセルにより急な訪問調整をするなど、予定が思うように組めない結果、一人の調査員が市内の端から端まで約40キロ以上を車で移動することもありました。(非効率ですよね…
https://urban-innovation-japan.com/project/2020-1st-toyohashi/nursing-care-survey/

繰り返しますが、これらは他の市町村でも大なり小なり同様の課題を抱えていることでしょう。
逆に言えば、民間企業が解決策を開発できれば、その商品は横展開が可能性がとても高いです。

ぜひ、豊橋市役所にお力を貸していただき、
御社の今後のビジネスに繋げていただければ、幸いです。

詳細はこちらのサイトををご覧お願いいたします。

では!