有料化には目的がある

今日、7月1日から全国で一律にプラスチック製買物袋の有料化が始まります。
スーパー、コンビニ、その他どこで買い物してもレジ袋はつきものですが、これまではほとんど無料でした。しかし今日からは買い物するたびに「袋に入れますか?」と聞かれることになります。ですから買い物に行く時にはお気に入りのマイバッグや、これまで使ってきたレジ袋を折りたたんで持ち歩くというようなことにもなるんでしょうね。

有料化の対象店舗は小売り業をする全ての事業者ということですから、コンビニ、スーパー、衣料品店、本屋、外食産業、商業施設などすべての小売業が対象で飲食店のテイクアウトも含まれます。動物園でぬいぐるみを買った場合も、小売りですからレジ袋は有料になります。しかし、フリーマーケットやバザーなどで物を購入する場合、確かに購入ですけれどもこれ「事業」ではありませんから有料ではありません。そうした区分けになります。

さて、なぜ有料化になるのか。これは経済産業省が主導して、海洋プラスチックごみ問題や地球温暖化問題(CO2の削減)の解決と環境保護という観点からの規制です。特にマイクロプラスチックと言われる海洋汚染などにも繋がっており、海洋だけではなくて当然陸上でも、よくコンビニの袋が公園の土に埋もれてそのままというのも見ますよね。そういう意味ではストローなども含むプラスチック全般が焦点ですけが、レジ袋は本当に生活の中で頻繁に出てくる、目立つというものでもあります。それから日本は確かに欧米に比べるとレジ袋が本当に多いですね。昨年、オーストラリアで暮らしている私の妹がオーストラリ人の旦那と一緒に帰国した際、「とにかく買い物する度に断る間もなく袋に入れてくれる」というふうに言っていました。

先頃はスーパーなどでレジ袋が必要かどうかとを聞かれることが増えましたし、先行して有料の店もあります。実際日本チェーンストア協会の調査では、18年前の平成14年には辞退率8.03%だったのが、6年前の平成26年には50%を超えて、今年3月の段階では57.2%の人がレジ袋辞退してます。

私はかねがね思ってきましたけれども、スーパーよりもコンビニのレジ袋の方が問題かなと思ういます。スーパーのレジ袋はあれにゴミを入れて、ゴミ袋として使ってるって人結構多いですよね。ところがコンビニの場合、飲み物を1本買っても小さなレジ袋に入ってきて、はゴミ袋にも向かないですよね。私は飲み物を1本買う時は「そのままでいいです」って本当に言いますが、妹の旦那じゃないですけれども、一瞬断りが遅れると袋に入っちゃってますからね。

今日から、ローソンとファミマでは大中小関係なく3円、セブンイレブンは大は5円で販売するそうです。

コンビニ各社の対応
セブン‐イレブン  小・中・大・弁当用は3円/特大サイズは5円(税別)
ファミリーマート  サイズを問わず一律1枚3円(税込)
ローソン      サイズを問わず一律1枚3円(税込)
ミニストップ    中・大・弁当用は2円/特大サイズは4円(税別)

ちなみにこの規制は先程言った通りですが、例外もあります。例えば海洋生分解性プラスチックの配合率が100%の袋。要するに微生物が炭酸ガス、メタン、水などに分解でき、自然界に還る素材ですね。それからバイオマス素材配合25%以上の袋。このバイオマスとは植物由来ですからCO2の負荷が低く、CO2排出量を約7割削減できる見込み
だそうです。何も聞かれずに、レジ袋に入れてくれたという場合はこういう素材のケースが多いということになります。また繰り返し使える厚手のものや、紙袋も例外になります。

考えてみれば、私が子供の頃は八百屋さんなんかは新聞紙に包んで、そしてそれを受け取って母親が買い物袋に入れてましたね。新聞紙でいいんじゃないかなって思いますけど、今は新聞紙の方が使われていないか。


編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2020年7月1日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。