なぜ、セブンイレブンだけ売上が伸びているのか?

自分の消費行動を振り返ってみると、一度気にいると、ずっと繰り返し利用する傾向があるようです。

例えば、コーヒーはスターバックス、(あまり食べませんが)牛丼は吉野家、昼食は自宅にいる時はいつもはクリスプサラダワークス、と言うように、同じお店に飽きずに何度も行くのです。

そして、コンビニはもちろんセブン-イレブンです。

日本経済新聞の報道によれば、大手コンビニエンスストアの既存店の先月の前年同月比の売り上げは、セブン-イレブンが1%増と、4カ月ぶりにプラスに転じたそうです。一方で、ファミリーマートは8.2%減、ローソンも5.8%減と、引き続き前年割れとなっています。

同じコンビニエンスストアという業態でも、もともとの1店舗あたりの売り上げは、セブン-イレブンが他を圧倒しています。今回も格の違いを見せつけたようです。

なぜ、他のコンビニではなく、セブン-イレブンを使うのでしょうか。

私の場合、セブン-イレブンのオリジナル商品が充実しており、また時々買う惣菜なども、味や商品開発力で違いがあると感じるからです。

例えば、毎日飲んでいる炭酸水はセブンプレミアムの炭酸水プラスです。また、朝ご飯に食べる納豆やメカブも、良く見ればすべてセブンプレミアムの商品でした。つまり、他のコンビニでは買えないオリジナル商品ばかりです。

ナショナルブランドの有名商品よりも、品質が高いこともあり安心して購入することができる。その安定感が一番の強みではないかと思います。

セブンイレブンで残念な事は、前から書いている通り、セルフレジが導入されないことです。時間帯によっては、レジ行列ができてしまうので、朝昼の混雑する時間帯は避けるようにしています。

最近、セブン―イレブンの公式アプリも使うようになりました。毎週末になると、なぜかおにぎりの無料クーポンが送られてきます。アプリによる囲い込みも、セブン-イレブンの強さにつながっているのかもしれません。

他のコンビニをほとんど使わないので、何が違うのか今一つわからないのですが、結果を見る限りコンビニ業界は「セブン1強」が続いているようです。

日本経済新聞は、セブン‐イレブンは、住宅街の店舗で冷凍食品や総菜を拡充したり、オフィス街で品ぞろえを住宅地用に切り替えたりしたことが奏功したとしていますが、それが本当の違いなのでしょうか。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2020年7月11日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。