国土交通大臣のポストが如何にも公明党の指定ポストのようになっているが、どうやらこれも日本の政治の劣化の一つの象徴のような感じである。
自公連立内閣が続く内に、いつの間にかかつての公明党の切れ味が影を潜めてしまったような感じである。
いくら何でもコロナ感染者の数が増える一方の状況の中でのGoTOキャンペーンの前倒しはないだろうに、と思うが、今の国土交通大臣は何の疑問も抱かなかったようだ。
まあ、現状のコロナ対策は一応の成果を挙げているから、三密回避を徹底すれば特に支障はないはずだ、日本の観光業の窮状を救うためにはどうしてもGoTo事業を進めるしかない、などと考えたうえでのGoTo事業の前倒しなんだろうが、ちょっと性急すぎるような印象が拭えない。
現在の国土交通大臣は公明党の赤羽一嘉衆議院議員。
日本の観光旅行業界のボスが自民党の幹事長の二階さんだそうだから、二階さんが進めようとしていることには公明党出身の国土交通大臣も口を挟めなかったのかも知れないが、如何にも間が悪い前倒し決定だった。
ちょっと待ったー、くらいの声を上げても良かったんじゃないかな、と思うが、どうも今の公明党には自民党や安倍内閣の行き過ぎに待ったをかけるだけの力も意欲もなさそうである。
編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2020年7月11日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。