コロナショックで日本人の働き方が変わると期待されています。決まった時間にオフィスに集まって一緒に仕事をするスタイルから、自宅やリモートオフィスで自由な時間に仕事をするスタイルへのシフトです。
しかし、私の周りにいる会社員の人たちの行動を見ていると、テレワークは仕事の効率を上げる面もあるのかもしれませんが、仕事をサボる人たちを生み出している側面もあるように見えます。
例えば、4月以降に開催したセミナーでは、平日の日中に参加する人の数が増えました。それまでは、会社員で平日のセミナーに参加する人と言えば、営業関係の仕事の人が抜け出してという例が多かったものです。それが、テレワークが増えると、普段あまり外出する仕事が無い事務系の会社員もオンラインで参加できるようになったからではないかと推察します。
あるいは、テレワークで在宅勤務中の知り合いは、いつもの始業時間にパソコンにログインするのが仕事をしている「証拠」になるそうです。前の日に、夜更かししても始業時間にとにかく起きてパソコンにログインする。その後、ゆっくり朝食を摂ってから、仕事を始めることもあるそうです。
もちろん、日中に仕事を抜け出したり、朝寝坊しても、与えられた仕事がきっちり仕上がって、成果を出していれば問題はありません。
しかし、業務範囲が明確になっていない会社で、とにかくテレワークを導入するという体裁が最優先になって、インフラが追い付かず、実際の業務運営がうまく回っていないというケースも多いようです。その結果、テレワークを導入しても、やれる仕事に限界があって、半分有給休暇のようになっているのです。
中小企業になると、そこまで余裕のある会社はありませんから、体裁など関係なく通常の勤務形態に戻ります。しかし、企業収益より体裁やメンツを優先させる老舗の大手企業のような会社では、生産性の低下がわかっていても、テレワークを続けてしまうのです。
最近、増えているように感じる「平日昼の自由を満喫するサラリーマン」ですが、いつまでそのような自由な生活を続けられるのでしょうか。
編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2020年7月25日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。