維新の代表が大阪市長、副代表が大阪府知事である以上、大阪では維新が圧倒的な勢力を保ち続けるであろうことは見易い道理である。
大阪都構想がどうなろうとも、大阪府政と大阪市政がこれからも一体的な運営を続けるのであれば、維新の足元がグズグズになるということは考え難い。
よくぞここまで大きな政治勢力を築いたものだと感心している。
大阪を基盤している限り、維新は国政でもそれなりの基盤を獲得し続けるはずである。
もっとも、だからと言って、国政政党の「維新」が自民党を凌駕するような政党にまで成長する、というのは、ちょっと考え難い。
今は「大阪維新の会」なる国政政党はないが、「維新」は本質的にはどこまで行っても「大阪の維新」でしかない。
東京の維新や埼玉の維新、さらには北海道の維新や沖縄の維新、などと言っても、結局は「大阪の維新」を超えることは出来ない。
維新が本当に自民党を凌駕し得る国政政党に脱皮するためには、どうしても維新の代表である大阪市長の松井氏と副代表である大阪府知事の吉村氏が国政の場に登場しなければならなくなる。
しかし、大阪市長や大阪府知事の職を他に譲ってしまうと、維新の大阪での基盤が途端に脆弱化してしまう虞があるから、松井氏や吉村氏が国政の場に活動の基盤を映してしまうようなことは現実には考え難い。
多分、維新の限界はそこにある。
維新は、どこまで行っても大阪の維新でしかない。
大阪の維新は決して野党ではない。
ただし、国政で自公と連立政権を組んでいるわけではないから、もちろん国政での与党でもない。
まあ、与党でも野党でもないから、維新はどこまで行っても「ゆ党」になる運命なんだろう。
ゆ党でも、そこそこには議席を獲得は出来る。
しかし、国政を担う全国政党にまでなるのは、どう見ても難しそうだ。
編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2020年7月27日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。