連休前から新型コロナウイルスの感染者がまた拡大をしています。
昨日、27日の新規感染者数は東京都の131人をはじめ、597人の感染が確認されました。一昨日は835人の感染が確認されて、国内累計も3万人を超えました。また、私が一番恐れていた医療の脆弱な地域での発生も確認されています。
鹿児島県にあり、綺麗な海が広がる人口5,222人(6月末現在)の与論島では、27日に2人の感染が確認されて、36人となりました。
これがGoToトラベルキャンペーンが原因かはまだわかりませんけれども、いずれにしてもGoToトラベルキャンペーンが始まった今月22日から、それ以降の今度2週間後がどうなるかでしょう。今のところ政府は「若い世代の感染者が多く、重症者が少ないため、現時点で再び発出し、社会経済活動を全面的に縮小させる状況にはない」としています。
ですから、GoToトラベルキャンペーンも実施を継続しているわけです。旅行に限らず、とにかく経済を回さなければ、コロナ以上に人が死に追いやられるというのもこれ、残念ながら確実なんですね。本当に言いたくないけれども、失業率が1%増えると自殺者が2000人増えるというのがこれまでの日本です。
日本に限らずにコロナと経済をどう両立させていくのかについて、世界の国々が難しい判断を求められているというのが実態で、ロックダウンをずっと継続している国はありません。オーストラリアでは終息したとみて、ロックダウンを解除していましたけれども、第二の都市メルボルンでは再び感染者が増えていたため、7月8日からメルボルンのあるヴィクトリア州とニューサウスウェールズ州で6週間のロックダウンが再度実施されています。
もしコロナがなければ、今月24日から合計で17日間の日程でオリンピックが日本で開催されていたはずでした。1年延期したオリンピックは、今年と同じ金曜日に開幕させるということで7月23日に開会式が行われる日程が先日発表されました。
多分、誰も言わないから先に言いますけど、私は来年のオリンピックも無理だと思っています。
オリンピックが開催できるということは、Afterコロナにならなくても、Withコロナの状況で、感染が相当縮小されてる状態だと考えます。すなわち、ワクチンもしくは治療薬が開発されて、それが世界中に出回っていなければなりません。これが年内に実現可能かと考えたら、まず無理だと思います。
来年の春頃に、日本でワクチンが出回り感染者数が減った、治療薬が出て重症化する人が少なくなったとしても、アメリカやイギリス、ロシアや中国は同じような状況になるかもしれません。しかし、アフリカや中南米の国々を考えた時、全世界に行き渡るのは無理だと思います。だったら、オリンピックは終息した国々だけでやりましょうというのも無理でしょう。その基準はなんなのかという話になりますよね。
仮に、PCR検査をして陰性だった選手だけは参加可能だとしたとしても、国際オリンピック委員会(IOC)の関係者やマスコミ、観客すべてのPCR検査を完全に行うのは無理でしょう。さらに、予選をやり直すと発表している競技団体もありますが、国際便が飛んで予選を年内に開始できるか。
などなど、考えれば考えるほど難しいですね。
正直私、内心では無理だと思って、そしてまたこのように言っていますが、私が責任のある立場にないから言えることでもあります。逆に言えば、責任のある立場の人はギリギリのギリギリのギリギリまで言えないですよ。日本政府も東京都もIOCも自分が言ったら、費用負担を求められるということにもなりかねないわけですしね。
編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2020年7月28日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。