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わたしは怒っております。
先日書いたこのエントリー
なぜ陽性者数が爆増なのに死者が全然増えないか、永江理論行きます
よく意味が分からない人が多いのですが、繰り返すと
5月以前は検査対象が
「37.5度以上の熱が4日以上続いてCTで異常が確認された人」だった。
見つかる陽性は発症した患者である確率100%
いまはめったやたらに検査をするので、発症していない人や、以前ならはじかれた人が大多数
見つかる陽性は発症しておらず5月以前なら検査から除外された軽症が大半
ということになります。これを同列に扱って「第2波」とか「感染が拡大している」と専門家まで騒いでいるのが今なのです。母数の属性を揃えないで論じるのは愚の骨頂ですが、これを説明しても絶対に理解できない人がかなりいるのに驚きます。簡単にたとえると
以前は犯罪を犯した人だけを逮捕していた
↓
いまは怪しそうなヤツを見かけだけですべて逮捕
↓
最近は治安が悪くなった!! 犯罪率が上がった!!と騒ぐ
がいまの状況だと言うことです。ここまでいえば8割は理解できるかも。
いまは若者ばかりが陽性で高齢者が少ないというのも、実は5月以前も若者の陽性が大勢いたが、無症状や軽症が多くて検査してないだけという可能性も十分あります。
上のエントリーでは無症状、軽症の比率から、いまの陽性者数が4月、5月だったらどれくらいになるかを仮に5%と10%で計算したのですが、本当はどれくらいなのかを実際に調べる手立てがありました。陽性の判明した人の体温を発表している都道府県があったのです。
ただし、4日続けてかどうかまではわからないので、37.5度以上の陽性の人の数だけピックアップします。つまり5月以前ならこの比率よりずっと小さくなるということです。
与論島の場合
与論島でクラスター発生してヘリで奄美大島などに緊急搬送されたようで、34人かなんか出たそうです。鹿児島県のサイトではほかの地域の陽性の体温は出てないのに与論島だけは詳しく出ています。与論島の保健所、ナイス!!
詳しいのを見てみる
エッ・・・・こんな症状の陽性を税金でヘリに乗せて島外に??
と驚く。早く指定感染症はずせ
で、ひとりひとり数えました。4日間連続してかどうかはわからないが、37.5度以上の熱の人
4人・・・・・・しかもギリギリで37.6度とか。38度超えたの1人。
結果 4/41(体温が掲載されてる与論町と指宿町の合計)
5月以前の数字に直すと、10%以下の4人
福岡県の場合
福岡県は人口あたりの陽性者数が東京よりも多い。こちらは最近の件数のみ発熱からの日数も分かるので、4日間以上続いているか、高熱が出たとか、日程がわからないとか可能性のある人だけをかなり甘めに抽出。表記が適当なところは集計からは除外します。担当保健所の差なのかもしれない。だから数えた数はわりと適当になります。
こういう感じの人を対象にしました。
ほとんどの人は熱が出ても数日以内にすぐに下がることがわかる。4日間続くってどれだけハードル高かったんだ・・・・。
結果
14人/56人 陽性者のうち、25%が5月以前なら出た数です。
埼玉県の場合
こちらも発症時の体温しかわからないので、発症時に37.5度以上あった人だけを数える。
10人(1人は外国籍)/27人 なので37%です。ただしこちらは4日連続縛りがないので実質的にはずっと少なくなる。福岡を見ると4日間続けて熱が出ているのはほとんどいないように見受けられる。
とりあえず検査基準が相当違うが合計してみる
5月以前に陽性とされたであろう数/現在の数は
28/124 ですので、22.5%となりました。実際には埼玉と福岡はかなり甘めに算入しましたので確実にこれよりは低くなります。
この指標ですと7/26の全国の新規感染者数は830人ですから、これの22.5%の186人が5月以前の陽性者と同等です。これはいつ頃かというと
5/4あたりです。6月下旬も同様の数字ですがこのときはホストの一斉検査が始まっているのでもっと少ないわけですから参考になりません。上記のようにかなり甘めの基準ですので実際にはもう少し少ないわけで、わたしは非常事態宣言が終わるあたりの数と同じ程度ではないかと考えます。
【わたしの予想】非常事態宣言が終わっていったんはそこからは落ち込んで(2週間遅れるので)そこから非常事態宣言が終わったあたりまでじわじわと戻したという感じでしょうか。だとするといまだ重症者が増えるペースが遅く、死者もパラパラとしか出ない理由の説明がつきます。
東京に当てはめると、東京の7/28の陽性者は266人なので、5月以前の基準に補正すると59人です。同様に5/5くらいの人数になります。
実際に数えてみたら、5月以前の陽性者に変換するといまの陽性は微増程度で、「感染が非常に拡大してます!!」ということは100%ない。嘘だと思う人は自分で鹿児島や埼玉や福岡の感染者一覧を見たら良い。医者でもないやつがいうなとはコロナ脳がよくいうセリフだが、こちとら伊達にマーケティングでご飯食べてません。こんなクソ集計で「いま需要が拡大してます」とか言ってたら信用無くす。マーケッターなめんな。我々の仕事で言うならば
最初は年収800万以上の人だけに「今後新車を買う予定がありますか」と聞き
↓
次に子供から90歳の老人まで同じ質問をした
↓
そしたら買う予定が大幅に下がった
↓
タイヘンダー!! 新車が売れなくなるぞー。不景気だ
と騒ぐようなもの。リサーチやマーケやってる人なら絶対にやってはいけないことをマスコミやテレビに出てくる専門家は平気でやってるのです。
オマケ。都道府県に任せるのもいい加減にして欲しい
実際に各都道府県のサイトを見ると、表記がてんでバラバラで、検査対象も統一されていないのがわかる。沖縄県は症状が出た人のみ検査をしているようでほとんど無症状がいない。ただし症状の詳細が書かれている人が少なく、千葉県在住の50代が重篤な肺炎で入院していることはわかったが、ほかの陽性の人たちは症状出現としか書かれていない。しかし沖縄は爆発とは言わないが感染は拡大しているのはわかる。無症状が1人もおらず、症状が出た人のみが検査を受けているからだ。
鹿児島は無症状がめちゃくちゃに多く、めったやたらに検査しているのが分かるが、その結果・・・
重症者ゼロです…..。東京も似た感じではないかと思う。
それぞれの県の7月に重症者増(回復もいるけど7/27の重症者から7/1のをざっくり引いた)/感染者数を見ると
全国 30/11580 0.25%
東京 9/5053 0.178%
埼玉 現在3人だが過去は不明/945
鹿児島 0/208 0%
福岡 現在4人だが過去は不明/627
※先月まではコロナは罹った人の5%が重症化するっていってなかった?
と、埼玉と福岡はサイトから過去の重症者の増減が調べられない。重病者の病床数から埼玉は7/1のほうが重症者が多かったのだけは分かったがメモリの無い画像なので精査不可。なんだよ、これは。
厚労省は各都道府県の保健所に、せめて記載のフォーマットの統一くらいはして欲しい。体温は当たり前だが、それが何日続いたのかの記載がないと実際に感染が拡大しているのかどうかもわからない。これでは施策も立てられないだろう。
5月以前とは単位が変わったと同じ数を見て「感染拡大する」「旅行するな」「外食するな」と騒ぐのは愚の骨頂です。ほんと小学校5年の割合からやり直して貰いたい医者ばかりでどうすんのといいたいです。
まじで数えるの疲れた。データ読むのは得意だがちくちく数えるのは好きじゃない。誰かやってくれないかな。
編集部より:この記事は永江一石氏のブログ「More Access,More Fun!」2020年7月28日の記事より転載させていただきました。